写真●キングソフトの翁永飆代表取締役社長(左)とイントシグのマイケル・ゼンCEO
写真●キングソフトの翁永飆代表取締役社長(左)とイントシグのマイケル・ゼンCEO
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 キングソフトは2014年10月7日、法人向け名刺管理サービス「CAMCARD BUSINESS」を発売した。スマートフォンで撮影した名刺情報をクラウドで管理、共有できる。スマホアプリにOCR技術を搭載し、撮影から平均5分でデータ化する。同社によると名刺管理サービスの市場は、2015年度予測で前年度比40%超成長する見込み。開拓余地は大きいと判断し、同市場に参入した。初年度で、有料プランを1万社に売り込みたい考えだ。

 世界で約1億1000万人(日本は約1割)のユーザーを抱える個人向け名刺管理アプリ「CAMCARD」を提供する中国イントシグと事業提携した(写真)。キングソフトは、CAMCARD及びCAMCARD BUSINESSの日本における独占代理店となる。キングソフトの翁永飆代表取締役社長は、「当社が日本のユーザーニーズを汲み取り、製品開発やマーケティングなど、全方位的に協力していく」と語った。提携の第1弾に位置づけるのが、今回発表した法人向けサービスのCAMCARD BUSINESSだ。同サービスの投入は、世界で日本が初となる。

 CAMCARD BUSINESSのユーザーは、まずスマホアプリで名刺を撮影する。アプリ内に搭載したOCR技術で、名刺の情報をデータ化。同時に、日本国内にあるクラウド環境にアップロードされる。クラウド上の名刺情報は、社内で共有したりCRM(顧客関係管理)システムと連携させたりできる。人手で誤変換を修正するサービスも提供する。

 売りの一つは、イントシグが持つ高い画像認識技術だ。同社のマイケル・ゼンCEOは、「当社はスマートフォンで名刺認識技術を実現する世界で初めての企業だ」と力を込める。同社の技術は、韓国サムスン電子の「GALAXY S5」や「GALAXY Note 4」などで採用されているという。

 CAMCARD BUSINESSにおける自動変換精度は、文字単位で98%。人手による補正を最小限に抑えることで、高速なデータ化を実現する。翁社長によると、人手補正を含めて平均5分でデータ化を完了できるという。商談で名刺交換をした帰り道で、スマートフォンでその名刺情報を読み取り、直ぐにお礼のメールを送ったりといったことが可能だ。

 無料プランと有料プランを用意した。有料プランには、1人当たり月額500円、月額1200円、月額2000円の三つがある。それぞれ、人手による補正枚数や社内で共有できる人数の上限が異なる。iOSとAndroid、Windowsに対応する。