写真1●初披露された「VAIO Prototype Tablet PC」のイメージ画像
写真1●初披露された「VAIO Prototype Tablet PC」のイメージ画像
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写真2●横から見た外観のイメージ。タブレットPC本体の背面には角度を調整できるスタンドがある
写真2●横から見た外観のイメージ。タブレットPC本体の背面には角度を調整できるスタンドがある
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 VAIO株式会社(VAIO)は米国時間の2014年10月6日、米ロサンゼルスで開催中の米アドビシステムズのカンファレンス「Adobe MAX 2014」で、12.3型液晶を備えるタッチペン対応のタブレットPCの試作機「VAIO Prototype Tablet PC」を初披露した(写真1、写真2)。

 タブレットPC本体のほか、磁石で着脱可能な無線式のキーボードが付属する。試作機の段階ではOSにWindows 8.1 Updateを採用している。

 VAIOによると今回披露した試作機は同社の最上位タブレットPCになるという。「PCならではの生産性を追求するというコンセプチュアルな製品だ。負荷の高いアプリケーションでもさくさく動く軽快感や、紙のようなタッチペンの操作性を実現するべく開発を進めている」。

 同社は2014年8月13日にVAIOブランド初となる製品を発売済みだが、これはソニー時代の製品で人気の高かったものをVAIO体制で投入したため、製品自体に大きな変化はなかった。その意味では、今回の試作機がVAIOとして真の“初号機”と呼べる。

 同社のWebサイトでは試作機に関する[特設ページ]を掲載している。特設ページに掲載されている主な仕様によると、CPUは4コアを備える米インテルの「Core Hプロセッサー」を採用。グラフィックス機能はCPU内蔵で、eDRAMと呼ぶ組み込み型のDRAMをキャッシュとして利用できる「Iris Pro Graphics 5200」だ。

 液晶の解像度は2560×1704ドットで、Adobe RGBカバー率は95%以上。画面のアスペクト比は3:2で、VAIOによると「動画に向く16:9ではなく、静止画に向く3:2を採用した」という。タッチペンの動きを感知する方法は電磁誘導式を採用。「ソニー時代のVAIO Duoと同じだが、感知の精度はより高まるようチューニングを続けている。ペンの色はVAIO Duoではグレーだったが、映り込みを避けるため黒にした」(VAIO)。

 メモリー容量は試作機では4GBだが「製品版では確実に増える」(VAIO)とのこと。ストレージに採用するSSDも「今後ユーザーの声を受けて容量が変動する可能性がある」(同)とする。端子類はUSB 3.0が2個、1000BASE-Tに対応する無線LANと通常サイズのSDカードスロット(SDXC対応)が1個ずつある。

 重さは非公表だが、「現時点ではタブレットPC本体のみで1kgを超えるぐらい。さらに軽くしようと考えている」(VAIO)という。

 なお、発売自体や時期については未定。ただ、VAIO代表取締役社長の関取高行氏は「2015年5月末までにVAIOらしさを打ち出した何らかの新製品を投入する」としており、今回の試作機はそれまでには製品化すると予想できる。