韓国Samsung Electronicsが147億ドル(15兆6000億ウオン)を投じて、韓国国内に新たな半導体工場を建設する計画だと、複数の米メディア(Wall Street JournalPCWorldBloombergなど)が現地時間2014年10月6日に報じた。

 メモリーチップ市場における優勢を維持しつつ、ウエアラブル端末や、スマートカー、スマートホームといった市場に向けた半導体事業の拡大を図る。

 新たな工場は、ソウルの南に位置するピョンテク市に建設する。敷地面積は79万平方メートルで、2015年前半に着工し、2017年後半の稼働開始を目指す。製造する半導体の種類や採用する製造プロセスなどは、決定していないという。

 Samsungにとって、営業利益の約60%を占めるスマートフォン事業が競争激化で苦しむ中、半導体事業の重要性は増している。Kwon Oh-hyun副会長兼最高経営責任者(CEO)は、新工場への投資が「Samsung半導体事業の未来を形成するのに重大な影響を与えるだろう」と述べた。

 Samsungの2014年第2四半期の営業利益は前年同期比25%減少したが、半導体事業の営業利益は同6%増加した。同社は10月7日に2014年第3四半期の業績予想を発表する予定で、モバイル端末の不振により営業利益が前年から半減する見込み。そのため半導体事業の利益がスマートフォン事業のそれを上回る可能性が高いと、一部アナリストは見ている。