写真●NTTぷらら 代表取締役社長の板東浩二氏
写真●NTTぷらら 代表取締役社長の板東浩二氏
[画像のクリックで拡大表示]
図1●「ひかりTV」の4K VODサービスの配信方式
図1●「ひかりTV」の4K VODサービスの配信方式
[画像のクリックで拡大表示]
図2●各料金プランとオプションで視聴できる4K作品
図2●各料金プランとオプションで視聴できる4K作品
[画像のクリックで拡大表示]
図3●4K機能を追加したスマートTVシステム
図3●4K機能を追加したスマートTVシステム
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTぷららは2014年10月3日、自社が運営するスマートTVサービス「ひかりTV」において、光回線を通じた4KによるVODサービスの提供を10月27日に開始すると発表した。

 インターネットを経由せず、NTT東西地域会社のフレッツ光回線経由で秒間60フレーム(60p)の4K作品を直接配信する。同日の会見で代表取締役社長の板東浩二氏(写真)は、「60フレーム対応の4K VOD配信は世界初」「フレッツ光からの直接配信によって品質とセキュリティーを確保できると考えている」と述べた。動画圧縮方式はH.265/HEVCで音声圧縮方式はAAC、配信速度は30Mbps以下としている(図1)。

開始当初は、オリジナル作品やNHKの映像配信サービス「NHKオンデマンド」のコンテンツなど、110本以上の4K映像作品を提供する。今後、TBSテレビやテレビ東京との共同プロジェクト作品などを順次追加し、2014年度末までに200本以上の作品を提供できるようにする。

TBSテレビとの共同プロジェクトでは、海外の美術館の歴史と周囲の町の様子を4Kで撮影してその魅力を届ける番組である「美術館のある風景」を制作する。2014年11月に提供を予定する。テレビ東京との4K共同プロジェクト作品は、2013年4月期にテレビ東京系列で放送されたドラマ「みんな!エスパーだよ!」のスペシャル版。提供予定時期は2015年春としている。

ビデオ見放題付きの料金プランに入っているひかりTVのユーザーは、見放題対象の作品については、従来の料金プラン内で4K作品を視聴できる。対象外の作品は別途視聴料が必要となる(図2)。「ひかりTV」のチューナーを内蔵した4K対応テレビを用意するか、市販の4K対応テレビに「ひかりTV」の4Kチューナー(2014年12月下旬に提供開始予定)を接続すれば、4K映像を視聴できる。

 自社発売テレビを「ひかりTV」の4K VODサービスに対応させるのは、シャープと東芝ライフスタイル、ソニー、LG Electronics Japan、パナソニックの5社。新製品へのチューナー搭載や、既存製品のソフトウエアのアップデートによって対応させる。

外付けの「ひかりTV」4Kチューナーは、レンタル(月額1800円、税別)で提供する。2015年からは売り切りでも提供する。デジタル機器向けインタフェース規格の「HDMI 2.0」と著作権保護技術の「HDCP 2.2」に対応した4K対応テレビで利用できる。

 今回、NTTぷららのスマートTVプラットフォームに4K機能を追加したことで、「他社とアライアンスを組んで4Kコンテンツを乗っければ配信できる仕組みができた」(板東社長)という(図3)。今後の展開については、「テレビ局やテレビメーカーと一緒になって新しい4Kマーケットを全力で作っていきたい」と意欲を見せた。

[発表資料(PDF)へ]