インターネットイニシアティブ(IIJ)は2014年10月2日、WebアプリケーションをRuby on Railsで開発/実行する環境をPaaS型クラウドサービスとして提供する「IIJ GIO MOGOK(ジオ モゴック)サービス」のメニューを拡充し、新たに実行環境で使えるファイルサーバーを追加したと発表した。これにより、ソフトウエアを改修することなく、ローカルファイルシステムを必要とするアプリケーションをそのままホスティングできるようになった。

 MOGOKは、Ruby on Railsの開発/実行環境である(関連記事:IIJ、Ruby on Railsの開発/実行環境を有償のPaaSサービスとして提供)。同社のIaaS「IIJ GIO」の仮想サーバー資源を利用して提供するPaaSサービスであり、実行環境として、Webアプリケーション、タスクスケジューラー、非同期処理、データベースサーバー、などのインスタンスを月額制で提供する。一方、開発支援環境として、クライアントサイドでRuby on Railsアプリケーションを開発するためのソフトウエア一式や、実行環境にアプリケーションをデプロイするためのツール群などを提供する。

 今回新たに、実行環境のWebインスタンスからアクセスできるディスク領域として、ファイルサーバーを用意した。これにより、ローカルファイルシステムを必要とする既存のRuby on Railsアプリケーションを、改修することなくそのままPaaS環境にホスティングできるようになった。なお、このファイルサーバーにはインターネットからWebDAV経由でアクセスできるようにした。

 これに対して従来は、ローカルファイルシステムは一時的なデータ保存の用途としてしか使うことができなかった。データを長期的に保存したい場合は、別途、外部のオブジェクトストレージなどを利用する必要があった。このため、既存のソフトウエアをPaaSで利用する場合は改修が必要になっていた。

MySQLに加えてPostgreSQLとmongoDBを利用可能に

 今回さらに、利用できるデータベースサーバーを拡充し、これまでのMySQLに加えて、PostgreSQLとmongoDBを利用できるようにした。さらに、これらのデータベースにおいて、データベースへの問い合わせ結果をメモリー領域に一時的にキャッシュして応答性能を高めるミドルウエア「memcached」を利用できるようにした。

 価格体系も刷新した(価格はいずれも税別)。例えば、Webアプリケーションの実行機能を提供する「Webインスタンス」は月額2800円から月額1400円へと50%値下げした。専用の仮想サーバーを用意してデータベースサーバー機能を提供する「専用DBサーバ」は、最上位モデルの場合に月額14万2000円が月額6万7000円になるなど、最大で53%値下げした。

 MOGOKの価格体系(刷新後)はの通り。

表●MOGOKの基本サービス
品目内容月額費用
Webインスタンス0.25コア相当1400円
Jobインスタンス0.25コア相当1400円
Workerインスタンス0.25コア相当1400円
専用DBサーバ/DB150.75コア相当
メモリー1Gバイト
ディスク20Gバイト
7500円
専用DBサーバ/DB301.5コア相当
メモリー2Gバイト
ディスク20Gバイト
1万2000円
専用DBサーバ/DB603コア相当
メモリー4Gバイト
ディスク20Gバイト
1万9000円
専用DBサーバ/DB1206コア相当
メモリー8Gバイト
ディスク20Gバイト
3万5000円
専用DBサーバ/DB24012コア相当
メモリー16Gバイト
ディスク20Gバイト
6万7000円
ファイルサーバ/FS100容量100Gバイト1万1000円
ファイルサーバ/FS300容量300Gバイト1万8000円
ファイルサーバ/FS500容量500Gバイト2万5000円
独自ドメインSSL独自ドメインとSSL通信2000円