写真●会見で戦略を説明する平井康文社長
写真●会見で戦略を説明する平井康文社長
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 シスコシステムズ合同会社は2014年10月2日、2015年に向けた経営戦略を発表した。日本で本格的なコンサルティング事業に参入するほか、日本のベンチャーに出資するなどIoT(Internet of Things)分野への投資を本格化させる。

 また、ソフトウエアのライセンス料金では、会議システムなどを皮切りに利用に応じて支払う従量制や、逆にユーザー数によらず支払額が変わらない定額制など、顧客が支払いやすい新しい料金体系を導入する。一連の施策で、製品を提供するITベンダーから「ビジネス価値の創造につながるサービスやソリューションを提供する、ナンバーワンITカンパニーを目指す」(平井康文社長、写真)という方向性を打ち出した。

 IoT分野では、米シスコシステムズ子会社の米シスコインベストメンツが最近組成した1億ドルのIoTファンドを活用し、国内ベンチャーのsmart-FOA(本社:東京都千代田区)に出資したと発表した。シスコが日本のベンチャー企業に出資する初めての案件といい、「今後もIoT分野を中心に国内でのベンチャー投資案件を発掘していく」(平井社長)方針だ。

 smart-FOAは2011年の設立で、工場や店舗など現場でセンサーを活用しながら問題発見や改善活動を支援する方法論やIT製品を提供している。出資を契機に、ネットワークエッジでセンサー情報を処理するなどシスコがIoTに活用できる関連技術を提供する。

 コンサルティング事業では専門の部署やブランド「CCS(Cisco Consulting Services)」を立ち上げ、従来の戦略・ビジネスコンサルとITコンサルを一体にしたサービスを提供する。両方を提供できる点を強みに、上流からICTのシステム設計など後工程につなげる体制を整える。