図1●ポスト「京」の開発ではCo-design(協調設計)を行う。理化学研究所の資料より
図1●ポスト「京」の開発ではCo-design(協調設計)を行う。理化学研究所の資料より
[画像のクリックで拡大表示]

 理化学研究所は2014年10月1日、理研のスパコン「京」の後継となるエクサ級(1エクサFLOPS前後)のスパコンについて、基本設計を共同で行う事業者として富士通を選定したと発表した。

 文部科学省が2014年度に始めたポスト「京」開発事業「フラッグシップ2020プロジェクト」では、1000億円以上の国費を含む1300億円の費用を投じ、世界に先駆けて2020年に日本で稼働させることを目指す。

 ポスト「京」のアーキテクチャについては、アクセラレータ併用型など複数の候補が挙がっていたが、最終的には富士通などが推す汎用プロセッサ型が採用された(ITpro関連記事:2Uきょう体で「京」1ラック分、富士通がスパコン次世代機の詳細を公表)。

 設計に当たっては、システムとアプリケーションを協調的に開発するCo-designの手法を用いる(図1)。スパコンのハードウエアアーキテクチャ、ノード間通信などを担うミドルウエア、プログラミング環境の開発を、実際に動かすアプリケーションの設計開発と並行して行い、互いに要求性能などをフィードバックする。プロセッサの設計、通信ライブラリや入出力システムなどシステムソフトウエアの基本設計は2015年夏までに終える。協調設計の対象となるターゲットアプリケーションは、2014年秋~冬に選定するという。