プリファードインフラストラクチャー(PFI)は2014年10月1日、ディープラーニング(深層学習)やIoT(Internet of Things)の専業会社であるPreferred Networksを設立したと発表した。Preferred NetworksはNTTと資本・業務提携をし、NTTが10月8日に2億円を出資する。Preferred Networksは同日、トヨタ自動車と自動運転車の実現に必要となる機械学習やディープラーニング技術に関する共同研究を行うとも発表している。

 Preferred Networksは、脳の仕組みを模した「ディープ・ニューラル・ネットワーク」を使用する機械学習であるディープラーニング技術や、様々なIoTセンサーから集めた情報をネットワークのエッジで処理する「エッジ・ヘビー・コンピューティング」技術の開発に取り組む。PFIがNTTと共同開発したオープンソースソフトウエア(OSS)のビッグデータ処理ソフト「Jubatus」は、Preferred Networksへとライセンスを移行し、IoT対応などの開発を進めていく。

 Preferred NetworksはPFIの経営陣がPFIとは別に設立した会社で、PFIが10%を出資する。設立時点の資本金は2220万円で、社長にはPFIの社長である西川徹氏が就任した。西川社長は、「クラウドコンピューティングのみでは、到底IoTで産出される大量のデータを分析・活用することは不可能。IoTを実現するにふさわしい新しいコンピューティングを生み出していくことを目指す」と述べている。

 Preferred Networksはディープラーニング技術の適用領域として、小売・広告、自動車、安全・防犯、ネットワークセキュリティ、製造、公共交通機関、ヘルスケアなどを想定しており、今後は各市場の事業者と共同開発や事業提携を進めるとしている。その第一弾として、自動運転車の共同開発でトヨタ自動車と提携した。

 東京大学出身の西川氏や岡野原大輔氏が2006年に設立したPFIは、外部からの出資を受けない方針だった。Preferred Networksに関しては方針を転換し、NTTから出資を受けたほか、今後も他の企業の資本参加を受ける予定であるという。PFIの主力商品である「Sedue for BigData」の開発や販売は、PFIが今後も継続する。

■変更履歴
当初の記事では「PFI本体とは資本関係が無い」としておりましたが、実際にはPFIが10%を出資しておりました。また当初の資本金は2200万円ではなく2220万円でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/10/01 16:30]