NECは2014年9月29日、製薬会社や医療機関向けに「タンパク質受託解析サービス SOMAscan(ソマスキャン)」の提供を開始する。生体内の病的状態やその進行度を示すタンパク質「バイオマーカー」の探索に役立つ。同サービスは、タンパク質の解析技術を開発する米ソマロジックが2011年から北米で提供しているもの。NECは今後3年間で数億円の売り上げを目指す。

 同サービスでは、製薬会社や医療機関の研究者は血液や血清などの生体サンプルをソマロジックに送り、バイオマーカーの測定を依頼する。ソマロジックは依頼された生体サンプル中の、疾病に関する1129種類のタンパク質を検出できる。測定結果は、NECが提供するデータ解析ツール「SomaSuite(ソマスイート)」を用いて可視化、研究者に提供する。利用価格は1サンプルあたり1800ドルで、最低24サンプルから依頼できる。

 ソマロジックは2000年に設立されたベンチャーで、2011年から同様のサービスを北米を中心に展開している。2013年の売り上げは約11億円。NECは2010年8月にソマロジックと協業しており、同サービスを国内で独占的に販売、ヘルスケア事業の拡大を図る。