インテル2014年9月26日、タブレット向けプロセッサ「Atom Z3700」シリーズの最新製品についての説明会を開催した。Atomのラインアップを拡大、グラフィックス描画性能を高めたモデルや「タイプ3」と呼ぶ新たなパッケージのモデルも追加した。75ドルから150ドルといった格安タブレットも実現できるという。

 追加した製品群の開発コード名は「Bay Trail Refresh」。基本設計は従来のBay Trailと同様で、半導体のバージョンを示す「ステッピング」を変更した。新ラインアップの変更点は主に三つ。グラフィックス描画性能の向上、格安価格帯タブレット向けモデルの追加、64ビット版OSへの対応である(写真1)。

写真1●タブレット向けAtomの新モデルのポイント
写真1●タブレット向けAtomの新モデルのポイント
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写真2●インテルクライアント事業開発部事業開発マネージャーの山中徹氏
写真2●インテルクライアント事業開発部事業開発マネージャーの山中徹氏
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 従来のB2/B3ステップでは、内蔵グラフィックス機能の動作周波数が最大680MHzだった(Atom Z3770D)。新しいC0ステップの「Atom Z3785」では最大833MHzに引き上げた。「この改良でベンチマークテストではスコアが1.2倍になる。十分に競争力のある性能だ」(インテルクライアント事業開発部事業開発マネージャーの山中徹氏、写真2)。LPDDR3メモリー使用時は最大778MHz、DDR3L-RSメモリー使用時は最大792MHzで動作するAtom Z3775/3775D/3745/3745Dもラインアップした(写真3)。

 75~250ドルのタブレットに向けた製品は6モデルある。8~10層基板が必要だった従来の「タイプ4」パッケージに加え、より安価な6層基板が利用できる「タイプ3」パッケージとしてZ3736F/3736G/3735F/3735Gも用意した。ただし、タイプ4に比べて製造コストがどれくらい安くなるかは明らかにしなかった。

 また従来は、メモリー容量が4Gバイトになる「2x64」か、2Gバイトになる「1x64」のメモリーチップ構成のみ対応していたが、格安価格帯向けの新たなモデルでは容量1Gバイトの「1x32」にも対応。価格を抑えるために、メモリー容量を少なくした製品を作れるようにした。

写真3●タブレット向けAtomのラインアップ
写真3●タブレット向けAtomのラインアップ
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