写真●JP1/Service Portal for OpenStackの画面
写真●JP1/Service Portal for OpenStackの画面
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 日立製作所は2014年9月29日、統合システム運用管理の新版「JP1 V10.5」を9月30日に出荷開始すると発表した。オープンソースのIaaS構築ソフト「OpenStack」や米ヴイエムウェアのクラウド基盤との連携強化など、マルチクラウド環境を見据えた機能拡張に注力。運用自動化製品「JP1/Automatic Operation」を「REST API」に対応させるなど、1994年の販売開始から20年目を迎え、さらなる“連携”を押し進めた。

 OpenStackを制御するためのサービスポータル製品「JP1/Service Portal for OpenStack」を新たに製品化した(写真)。ポータルを通じて、仮想マシンの作成・削除やディスクの割り当て、リソースの利用状況確認などが行える。利用申請や上長承認といったワークフロー機能なども備える。基本的に、米レッドハットの「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」と組み合わせて利用する。

 ヴイエムウェアのクラウド基盤「VMware vSphere」とは、稼働監視で連携。監視ツール「VMware vCenter Operations Manager」で収集した稼働状況を、JP1の統合コンソール「JP1/Integrated Management」に転送し、データセンターの稼働状況を一元管理できるようにした。

 JP1から「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」や「Microsoft Azure」を連携する機能は既に提供済み。「オートスケール機能」で仮想マシンの数が増減した際、JP1が構成に合わせて自動で監視設定することが可能。AWSの監視ツール「Amazon CloudWatch」と「JP1/Performance Management」も連携できる。マルチクラウド環境の一元管理に向けて、機能強化を重ねてきた。

 IT運用の自動化を担うJP1/Automatic Operationは、REST APIに対応することで、既存システムやGUIなどとの連携性を強化した。ITプラットフォーム事業本部 ITマネジメントソリューション開発部の加藤恵理氏は「JP1全体としてRESTが主流になっていく動きがある」と説明する。

 このほか、スモールスタートに適したライセンスモデルを拡充した。2013年12月に提供開始した「JP1/Integrated Management-Service Support Starter Edition」に加え、今回「JP1/Data Highway-Server Starter Edition」を提供開始。大量データを転送したいが、利用頻度は低いユーザーの初期投資を抑えられるという。