米連邦捜査局(FBI)のJames Comey長官が、米Appleと米Googleのスマートフォン向けセキュリティ対策に異論を呈したと、複数の米メディア(Wall Street JournalPCWorldBloombergなど)が報じた。

 Comey長官は現地時間2014年9月25日の会見で、プライバシー保護のためにスマートフォン内のユーザーデータを暗号化するAppleやGoogleの取り組みについて言及。「私が懸念しているのは、人々を法律の届かないところに置くことが可能だと明示しているものを両社が販売していることだ」と発言し、誘拐やテロ事件などの捜査において当局がスマートフォン内のデータにアクセスする必要性を強調した。

 Appleは先週、「iCloud」から著名人の画像が多数流出した騒動に対応するべくプライバシーポリシーの改訂を発表した際に、新たなモバイルOSには強固なプライバシー保護機能を導入しているため、たとえ警察当局が令状を持っていても、ユーザー情報を引き渡すことはできないと説明した。Googleも、Androidの次期バージョンで同様の対策を施す方針を明らかにしている。

 Comey長官によると、FBIはすでにAppleおよびGoogleと連絡を取り、スマートフォンのデータ暗号化について両社の見解を確認しているという。