中国Alibaba Group(阿里巴巴)は現地時間2014年9月19日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、218億ドルを調達した。

 同社は前日の9月18日に公募価格を米国預託株式(ADS)1株あたり68ドルとすることに決定(関連記事:Alibaba、公募価格を1株68ドルに設定、調達規模218億ドル)。上場後の初値は92.70ドルと、これを36%上回った。一時99.70ドルの高値を付けたが、結局終値は38%増の93.89ドルとなった。初日の終値をもとにした同社の企業価値は2310億ドルと見積もられる。

 英メディアの報道(ReutersFinancial Times)によると、引き受け会社が最大約4800万株を追加できるオプションを行使する見通しで、調達額は約250億ドルと、史上最大規模の新規株式公開(IPO)となる。

 Alibabaは元英語教師のJack Ma氏が15年前に設立した。現在会長を務めるMa氏は今回持ち株の一部を売却し、7.8%(19日の終値に基づいた場合、180億ドル相当)の株式を保持する。米Yahoo!は約80億ドル相当の株を売却し、持ち株比率は16.3%(同377億ドル相当)となった。ソフトバンクは32%(同749億ドル相当)を維持する。

 華々しいIPOを果たしたAlibabaだが、今後の課題を指摘する声もある。米Wall Street Journalは、「Alibabaの真の成功は、40%以上の利益率を落とすことなくこのまま成長を続けられるかにかかっている。中国の競合他社の激しい攻勢をかわしながら、手際よくビジネスモデルをモバイルに移行しなければならない」と述べている。また米New York Timesは、中国市場が成熟に向かう中でAlibabaが現在の独占的地位を維持できるかどうか、疑問を投げかけている。