画面●訪日中国人向けに毎月先着15人にSIMを無料配布するバイドゥとベリトランス
画面●訪日中国人向けに毎月先着15人にSIMを無料配布するバイドゥとベリトランス
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 中国検索エンジン最大手のBaiduの日本法人、バイドゥ(東京都港区)およびベリトランス(東京都渋谷区)は2014年9月19日、訪日中国人旅行者向けに無料で利用できるプリペイドSIMの配布を始めた(画面)。当初は毎月先着15人に限定して無料のSIMを配布するが、今後、広告収益を拡大させることで無料配布枠を拡大していく予定だ。

 提供するSIMは標準サイズ、ナノSIM、マイクロSIMの3種類。NTTドコモの回線を借りてMVNOサービスを提供するU-NEXT(東京都渋谷区)製のSIMを提供する。通信速度は最大150Mbps、1日の通信量は最大100MB。

 申し込みの窓口はベリトランスが提供する中国人向けEC(電子商取引)サイト「Buy-j.com(バイジェイドットコム)」に設ける。中国人を対象とした日本観光情報サイト「JJ-street(ジェイジェイストリート)」の訪問者向けにクーポンコードを発行し、Buy-j.com上でSIMを申し込む際にクーポンコードを入力することで先着15人が無料提供の対象となる。

 通常価格は4480円だが、今後、JJ-streetの広告収益の拡大を図り、最終的には希望者全員を無料対象としていく予定。2020年の東京オリンピック開催に向けて、訪日中国人を対象とした広告ビジネスの高まりへの期待があるようだ。具体的には自治体や航空会社、旅行会社を中心に広告出稿を募っていく考え。

 2013年に観光庁が実施した外国人旅行者向けアンケートでは、旅行中に最も困ったことととして「無料公衆無線LAN環境」が36.7%で最多だった。オリンピック開催に向け、外国人向けのインターネット接続環境整備が喫緊の課題となっている。そのため無料で利用できるSIMに需要が高まるのは必至。広告収益をどこまで早期に拡大できるか、バイドゥとベリトランス両社の営業力が問われることになりそうだ。