写真1●SAPジャパンの福田譲代表取締役社長
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写真2●SAPジャパンがフォーカスする五つの施策
写真2●SAPジャパンがフォーカスする五つの施策
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 SAPジャパンは2014年9月16日、都内で社長就任記者会見を開いた(写真1)。2014年7月28日付けで代表取締役社長に就いた福田譲氏は、「ERPに再フォーカスする」と語り、クラウドサービスである「SAP HANA Enterprise Cloud」を軸としたクラウド事業と合わせ、ERP(統合基幹業務システム)パッケージの販売に再度注力していく姿勢を見せた(関連記事)。

 1997年にSAPジャパンに入社し、生え抜きで社長に就任したことについて福田社長(39歳)は、「SAPという会社は私のホームだ。これまで誰にも遠慮なく、気兼ねなく主義主張を通してきたし、これからもその姿勢を貫く」と語った。

 福田社長は今後の施策として、「SAPジャパンのグローカリゼーション」「グローバルインダストリービジネスユニット」「ERPへの再フォーカス」「クラウド」「プラットフォーム・テクノロジー」といった五つについて説明した(写真2)。

 一つめのSAPジャパンのグローカリゼーションについては、社員のグローバル人材化を強化していく方針であるという。欧州SAPの外国人社員を日本に転勤させたり、SAPジャパンの日本人社員を積極的に海外転勤させたりする。さらに、「社内言語の英語化に真剣に取り組む」(福田社長)と語った。

 二つめのグローバルインダストリービジネスユニットについては、欧州SAPと協力してグローバルでビジネスユニットを実現。公益、自動車、保険といった今後グローバル化が加速する業界に向けて、グローバルで連携した形で提案していく。ERPへの再フォーカスについては、「日本企業のトップ100社のうち、SAPのERPを使っている企業は半分にも満たない」(福田社長)とし、クラウドサービスなどと合わせてERPパッケージを提案し、顧客を開拓していく考えだ。

 四つめのクラウドについては、顧客のオンプレミス環境のERPについてクラウド化を推進。クラウドでERPを使うことで、顧客のビジネススピードを加速させるという。プラットフォーム・テクノロジーについては、スタートアップ企業と連携し、イノベーションを加速したり、ERP関連市場でのシェア拡大を狙う。