日本民間放送連盟会長の井上弘氏は2014年9月18日の会見で、在京民放局5社が共同での見逃し番組配信サービスの提供に向けて検討を開始することで合意したと報告した。「5社は無料でのサービス提供を想定しているようだ」という。

 現在、一部の民放キー局が放送終了後の番組の無料配信サービスをキャンペーンという形で提供しているが、在京5局の番組を横断的に視聴できる無料サービスは存在しない。井上会長は今後について、「費用や著作権の問題や、営業セールスへの影響などについての議論を5社はこれから進めることになる」と説明した。

 井上会長はこれまでの経緯について、「2013年の年末に、インターネット時代に民放の価値を上げるにはどうしたら良いか考えてほしいと、私から在京5局にお願いした」と述べた。検討の結果、「5局共同で見逃し番組配信サービスを開始しようじゃないかということで意見がおおよそまとまったようだ」という。

 仮に在京5局の無料の見逃し番組配信サービスがインターネット上で全国どこでも利用できるようになると、地方局のビジネスに影響を及ぼす可能性が出てくる。「民放業界の中でも利害が分かれるが、インターネット時代への対応を我々も進める必要がある。私としても民放連の理事会の皆さんに理解をしてもらうようにお願いしていく」(井上会長)とした。