写真1●シスコシステムズ、APJデータセンターバーチャライゼーション、UCS日本担当プロダクトマネージャーの中村智氏
写真1●シスコシステムズ、APJデータセンターバーチャライゼーション、UCS日本担当プロダクトマネージャーの中村智氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Cisco UCS Miniの外観(背面にスイッチを搭載する)
写真2●Cisco UCS Miniの外観(背面にスイッチを搭載する)
[画像のクリックで拡大表示]

 シスコシステムズは2014年9月18日、PCサーバー「Cisco Unified Computing System」(UCS)のラインアップを拡充し、スケールアウトに適したモジュラー型サーバーの「Cisco UCS Mシリーズ」と、小規模向けにスイッチを内蔵したオールインワン型のブレードサーバー「Cisco UCS Mini」を追加した(写真1)。2014年9月以降、順次販売開始する。開発会社は、米Cisco Systems。

 前提となるCisco UCSとは、同社のPCサーバー機である。主な特徴は、ラックが並んだデータセンターの仮想サーバー環境で使うことを考慮し、ネットワーク接続やストレージ接続などのI/O機構を仮想化/抽象化していること。サーバーのネットワーク構成やストレージ構成をソフトウエアだけで設定できる。

 今回、UCSの新製品を二つ用意した。一つはCisco UCS Mで、スケールアウトによる分散処理に適したモジュラー型サーバーである。2Uラックマウント大のきょう体に最大で8個のサーバーモジュールを搭載する。一つのモジュールには独立した2台のPCサーバーが含まれるため、きょう体1台では最大16台の物理PCサーバー機を動作させられる。

 Cisco UCS Mのサーバーモジュールは、CPUとメモリーだけで構成するコンピューティング(計算処理)ユニットである。I/O機構は備えず、きょう体側に外出しとなっている。きょう体側には、システムブート用のハードディスクとネットワーク/ストレージ接続機構、電源ユニットが載る。別途、外部のスイッチと接続して運用する。

 Cisco UCS Mの価格は未定で、2014年10月に販売を開始する。

 もう一つの新製品、Cisco UCS Miniは、小規模な遠隔オフィスなどに向いた、オールインワン型のブレードサーバーきょう体である(写真2)。ブレードサーバー同士のインターコネクト通信や外部システムとの通信に使うスイッチ装置をブレードシャーシに搭載したことにより、別途ラックに積んだり、外部のToR(トップオブラック)スイッチ装置と組み合わせたりする必要がなくなった。なお、このスイッチはファブリック構成が可能であり、複数台を束ねて論理的に1台のスイッチとして運用できる。Cisco UCS Miniではさらに、データセンター以外の場所に設置できるように、100V電源で動作するようにした。

 なお、Cisco UCS Miniのベースとなったブレードサーバー製品は「Cisco UCS Bシリーズ」である。新開発のスイッチをBシリーズのシャーシに搭載したものが基本構成となる。これに、既存のBシリーズのブレードサーバー(2ソケットのM3サーバーまたは4ソケットのM4サーバー)を搭載して使う。

 Cisco UCS Miniの価格はブレードサーバーを含まない最小構成で3万168ドル(米国の場合)で、2014年9月に販売を開始する。

■変更履歴
記事中で4カ所、「UCS」を「UCM」と誤まって表記していました。以上、お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2014/09/19 12:30]