中国政府と関係のあるハッカーが、米軍関連の契約業者のネットワークに繰り返し侵入していたとする米当局の調査報告を、複数の海外メディア(米Bloomberg米Wall Street Journal英Reutersなど)が報じた。

 米上院軍事委員会が現地時間2014年9月17日に発表した調査報告によると、2012年6月~2013年5月に、米軍および軍関連機器の輸送に関して契約を結んでいる航空会社、海運会社、IT企業などのネットワークが50回にわたって不正侵入などのサイバー攻撃を受けた。

 そのうち少なくとも20件はAPT攻撃によるセキュリティ侵害で、中国政府が関与したものだと同委員会は判断している。約12社の契約業者が不正侵入を受けたが、個々の企業名については明らかにしていない。

 なお、調査対象の1年間に米輸送軍(TRANSCOM)が把握していたセキュリティ侵害はわずか2件のみだった。同調査報告では、TRANSCOMのサイバーセキュリティにおける脆弱性認識と政府組織間の情報共有に体系的な問題があると指摘している。

 また、在米中国大使館の広報担当者は、「過去の経験から、この手の報告は根拠がなく、でっち上げに基づいている」と反論しているという。