写真1●キャリアアグリゲーション(CA)の導入計画。
写真1●キャリアアグリゲーション(CA)の導入計画。
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写真2●アドオンセルの説明。
写真2●アドオンセルの説明。
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写真3●LTEに対する周波数の割り当て状況。
写真3●LTEに対する周波数の割り当て状況。
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写真4●iPhone 6/同Plusに関する説明。
写真4●iPhone 6/同Plusに関する説明。
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 NTTドコモは2014年9月17日、ネットワーク戦略に関する説明会を開き、LTE-Advancedのキャリアアグリゲーション(CA)を用いた下り最大225Mビット/秒のサービスを今年度中に提供すると改めて強調した。年内にも割り当てられる3.5GHz帯の周波数を活用し、さらなる高速化も図っていく。「3波を束ねた高速化も視野に入れて研究開発を進めている」(ネットワーク部長の大松澤清博取締役常務執行役員)という。

 CAにおける周波数の組み合わせは、「800MHz帯(10MHz幅)+1.7GHz帯(20MHz幅)」と「1.5GHz帯(15MHz幅)+2GHz帯(15MHz幅)」の合計30MHz幅の利用を予定し、カテゴリー6(40MHz幅の使用時は下り最大300Mビット/秒)に対応した端末と一緒に提供する(写真1)。具体的な置局計画はこれから細部を詰めていく。

 CA対応ではKDDI(au)が先行(今夏モデルで導入)するが、下り最大150Mビット/秒のサービスは現行のLTEでも実現できる。NTTドコモは1.7GHz帯(東名阪限定)の20MHz幅を用いて提供しており、同社ではLTE-Advancedならではの20MHzを超えた“本格的”なCAの導入にこだわっている。このため、iPhone 6/同Plus(カテゴリー4)が対応する「800MHz帯(10MHz幅)+2GHz帯(10MHz幅)」のCAに合わせることは「現時点では考えていない」(大松澤取締役常務執行役員)という。

 加えて、来年度早々にはアドオンセルの導入を進める(写真2)。アドオンセルは狭いエリアをカバーするスモールセルのこと。マクロセルと組み合わせたHetNet構成とすることでエリア当たりの容量を拡大できるほか、セル間のトラフィック分散によるスループットの向上を見込める。マクロセルは主セルとして接続を常に継続しつつ、アドオンセルの配下に入った時にだけCAで副セルを追加することにより、ハンドオーバーの頻度を抑える効果も期待できる。

 LTEの基地局数は2014年度第2四半期時点で7万7000局に拡大した。今年度中に9万5300局まで増やし、人口カバー率(新基準)を99%とする計画。2014年度第2四半期時点の基地局数のうち、112.5Mビット/秒対応は2万1000局、150Mビット/秒対応は2000局。今年度中にこれらの数値をそれぞれ、4万局、7000局に引き上げる予定である。

 同社がLTEに割り当てた周波数は、800MHz帯が10MHz幅、1.5GHz帯が15MHz幅、1.7GHz帯が20MHz幅、2GHz帯の15MHz幅の合計60MHz幅になった。特に1.7GHz帯(東名阪限定、150Mビット/秒)と1.5GHz帯(112.5Mビット/秒)は「フルLTE」として快適性をアピールしていく考え(写真3)。700MHz帯(10MHz幅)も今年度中に利用できるように準備を進めているが、CAの対象としては考えていないとする。

 iPhone 6/同PlusのVoLTE(Voice over LTE)への対応については、「まだ検証している段階。できるだけ早く提供したい」との回答にとどまった(写真4