アーティストの小室哲哉氏は2014年9月14日、東京・代官山で開催中の「ザ・ビッグ・パレード」で基調講演に登壇した(写真)。インターネットの普及や、楽曲の記憶媒体の変遷に触れながら、音楽の在り方について語った。

写真●講演を行う小室哲哉氏
写真●講演を行う小室哲哉氏
[画像のクリックで拡大表示]

 小室氏は冒頭、「電子音を聞かずに生活している人はいないのではないか」と来場者に問いかけた。朝起きるために設定する目覚ましのアラーム音、冷蔵庫の閉め忘れを注意する警告音、電車のアナウンス音など日常生活には電子音があふれている。

 同氏がリーダーを務めるTM NETWORKは1984年にデビューし、今年でデビュー30周年を迎える。デビュー当時に比べて、現在は音楽を取り巻く環境が著しく変わった。

 大きく変わったのは楽曲を保存する記憶媒体だ。小室氏はテープレコーダーなどの媒体の代わりに、ハードディスク形式で楽曲を保存する手法をいち早く取り入れた。

 「楽曲をテープに保存することは、走っている電車の窓から、過ぎていく瞬間の景色を見るようなもの。比べて、ハードディスクに保存することで全体を俯瞰(ふかん)できるようになった」と、小室氏は記憶媒体の変遷について振り返った。