写真1●iPhone 6/6 Plusにおけるネットワーク面の優位性をアピールするKDDIの石川雄三代表取締役執行役員専務
写真1●iPhone 6/6 Plusにおけるネットワーク面の優位性をアピールするKDDIの石川雄三代表取締役執行役員専務
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 KDDIは2014年9月12日、同日午後4時からのiPhone 6/6 Plusの予約直前のタイミングで記者説明会を開催した。登壇した同社の石川雄三代表取締役執行役員専務(写真1)は「iPhone 6/6 Plusでの最大の変化はネットワーク。KDDIは“全部入り”で、iPhone 6/6 Plusが対応するキャリアアグリゲーション、最大150Mビット/秒の速度、WiMAX 2+(TD-LTE)に全て対応する」と他社と比べた優位性をアピールした。

iPhone 6/6 Plusの変化で最も恩恵を受けるKDDI

 ネットワーク面においてiPhone 6/6 Plusは、新たに下り最大150Mビット/秒のカテゴリー4(Cat-4)に対応した点が特徴だ。これまでのiPhone 5s/5cは最大100Mビット/秒のカテゴリー3(Cat-3)仕様だった。またiPhone 6/6 Plusは、複数の周波数帯を束ねて高速化できるキャリアアグリゲーションにも対応した。

 iPhone 5s/5cでも対応周波数帯は豊富だったが、iPhone 6/6 Plusは新たにBand 28(700MHz帯)、Band 41(2.5GHz帯)などにも対応した。日本国内で使用されている周波数帯で、iPhone 6/6 Plusが対応していないバンドは、Band 11(1.5GHz帯、KDDIやソフトバンクモバイルが利用)、Band 21(1.5GHz帯、NTTドコモが利用)程度になった。

 こうしたネットワーク面での変化で、現段階で最も恩恵を受けるのは確かにKDDIである(写真2)。例えばNTTドコモは1.7GHz帯(Band 3)で最大150Mビット/秒のサービスを展開するものの、このバンドは東名阪エリアに限定されている。Band 41の2.5GHz帯は保有していない。

写真2●KDDIが示したiPhone 6/6 Plusにおける各社のネットワーク対応状況の比較
写真2●KDDIが示したiPhone 6/6 Plusにおける各社のネットワーク対応状況の比較
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 ソフトバンクモバイルは、iPhone 6/6 Plusで対応したBand 41(2.5GHz帯)で、関連会社のWireless City PlanningがTD-LTE互換のAXGPサービスを展開しており、メリットがある。しかし、ソフトバンクモバイル側の周波数帯は900MHz帯など移行作業中のバンドもあり、最大150Mビット/秒を実現する帯域の確保やキャリアアグリゲーションの展開に苦戦している。

 一方KDDIは、iPhone 6/6 Plusで使える800MHz帯と2.1GHz帯を組み合わせたキャリアアグリゲーションに対応。関連会社でありUQコミュニケーションズが2.5GHz帯で展開するTD-LTE互換のWiMAX 2+も、iPhone 6/6 Plusで新たに対応するため、現段階におけるカタログスペック上の優位性はある。