英国の市場調査会社Canalysが現地時間2014年9月10日に公表したリポートによると、スマートウォッチやリストバンド型端末を含む「ウエアラブルバンド」の2015年における世界出荷台数は、前年比129%増の4320万台になる見通し。

 このうち、米Appleが先ごろ発表したApple Watchのような多目的端末「スマートバンド」の出荷台数は2820万台、活動量計などの特定用途端末「ベーシックバンド」は残りの1500万台になると予測している(関連記事:これがApple Watchだ!実機フォトレポート【写真多数】)。

 Canalysは体の一部に巻いて利用する端末をウエアラブルバンドと呼んでいる。このうちApple Watchのようにサードパーティー製アプリケーションを動かせる端末を「スマートバンド」、リストバンド型活動量計のようにサードパーティー製アプリケーションを導入できないものを「ベーシックバンド」と呼んでいる。

 それによると、2015年はウエアラブルバンド出荷台数の大半をAppleの製品が占め、同社がこの市場をけん引していくという。Canalysのアナリスト、Daniel Matte氏は、「Appleは、小型ディスプレイに適した新たなユーザーインタフェースを開発するなどして一般消費者向けのスマートウォッチを生み出した」とし、洗練されたソフトウエア、豊富な製品種、手頃な価格の下位モデルといった要素が、消費者にとって魅力的だと分析している。

 一方でこの市場は、低価格端末を持つXiaomi(小米科技)などの中国メーカーが台頭し、「Android Wear」のエコシステム(生態系)も拡大していくという。長期的に、すべてのウエアラブルバンドメーカーは、スマートフォンの既存機能を超えた価値を提供し、顧客がもう1台の端末を購入するための理由を示す必要があるとCanalysは指摘している。

 また短期的には、米Fitbitや米Jawboneといったベーシックバンドのメーカーが市場成長の恩恵を受ける。だが、やがてAppleに対抗するスマートバンドメーカーが価格競争力のある製品を市場投入し、ベーシックバンドメーカーのビジネスを脅かしていくという。スマートフォンの価格が大幅下落したことで、フィーチャーフォンが打撃を受けたような状況が起きるだろうとCanalysは予測している。

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