米クラウドビーズ(CloudBees)は2014年9月11日、日本人エンジニアの川口耕介氏が開発を主導するオープンソースソフトウエア(OSS)のCI(継続的インテグレーション)ツール「Jenkins」の法人向け事業に専念すると発表した。これに伴い同社が提供してきたJavaアプリケーション用のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「RUN@cloud」の事業は終了する。

 Jenkinsの開発者である川口氏は2014年1月から、クラウドビーズのCTO(最高技術責任者)を務めている。Jenkinsは川口氏が2011年2月に公開したOSSで、ソースコードのコンパイルやビルド、テスト、品質検査、サーバーへの展開などを自動化できる(関連記事:世界で人気の開発ツール、作った動機は“怒り”--川口 耕介 氏)。Jenkinsで実現できるアプリケーションの開発プロセスにおける省力化のことは、継続的インテグレーションや継続的デリバリーと呼ばれている。またJenkinsは、開発ライフサイクルを高速化する「DevOps」を実現するツールとしても注目を集めている。

 クラウドビーズによればJenkinsのアクティブ利用件数は全世界で8万5000件であり、この数は2013年に前年度比160%増加したという。CloudBeesはJenkinsに関して、商用サポートやJenkinsのクラウドサービスである「DEV@cloud」を提供している。同社は今後はこれらを主力事業とする。

 クラウドビーズはこの発表に併せて、PaaSを実現するためのOSSである「Cloud Foundry」を開発する米Pivotalと、Jenkinsを使ったCIの実現について提携すると発表した。PivotalはCloud Foundryの商用版である「Pivotal CF」を提供している。クラウドビーズとPivotalは今年中に、JenkinsをPivotal CFのアドオンサービスとして利用可能にする予定である。