DJになった気分でレコードの代わりに浴槽のフチをこすって“スクラッチ”が楽しめる
DJになった気分でレコードの代わりに浴槽のフチをこすって“スクラッチ”が楽しめる
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浴槽のフチの裏に取り付けたタッチセンサーのボックスなど。エプロン壁の内側に収容できる
浴槽のフチの裏に取り付けたタッチセンサーのボックスなど。エプロン壁の内側に収容できる
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京都産業大学では、実験用の住宅を構えており、この浴槽のほか、プロジェクションマッピングを施した玄関や、鏡をデジタルサイネージとして使える洗面室などの実験・研究を進めている
京都産業大学では、実験用の住宅を構えており、この浴槽のほか、プロジェクションマッピングを施した玄関や、鏡をデジタルサイネージとして使える洗面室などの実験・研究を進めている
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 2014年9月2日~4日にパシフィコ横浜で開催された「CEDEC 2014」(主催:コンピュータエンターテインメント協会)に、ユーザーインターフェース(UI)を備えた浴槽が出展された。浴槽のフチの部分をたたいたりこすったりすることで、浴室の照明やオーディオの操作ができるほか、ミニゲームなどを楽しめるというものだ。

 浴槽のフチの裏側に静電容量式タッチセンサーの電極と圧電振動センサーを貼り付け、浴槽のフチを入力装置として使えるようにした。浴室の天井裏にはプロジェクターを設置。簡単な映像をフチに投影し、ユーザーの操作とプロジェクターからの映像・音声を連動させて、もぐらたたきや早押しクイズ、楽器の演奏といったさまざまなアプリケーションを実現している。

 出展者は京都産業大学 コンピュータ理工学部准教授の平井重行氏と、京都産業大学大学院 先端情報学研究科の学生である伊藤大毅氏、橋岡良氏。一般に、浴室の給湯器操作パネルは壁に設置されており、入浴中には体をひねったり、腕を大きく伸ばしたりしなければ操作できないことが多い。そこで、浴槽と洗い場の中央に位置し、浴槽から無理のない姿勢で触れる位置にある浴槽のフチに、UIを設ける研究を始めたという。

 出展者によれば、最近のシステムバスではメンテナンス性を考慮して浴槽側面のエプロン壁(カバー)を取り外せるようにしていることが多いため、既設の浴槽にもセンサー類を設置しやすいという。また、天井裏に浴室乾燥機などを収めるスペースが設けられることが多いので、プロジェクターの設置も容易であり、大掛かりな工事なしに、既設の浴槽にUI機能を取り付けられるという。