中国Alibaba Group(阿里巴巴)が計画している米国での新規株式公開(IPO)では、調達額が211億ドルを超える見込みだと複数の海外メディアが報じた。

 Alibabaが現地時間2014年9月5日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社は公募価格の仮条件を1米国預託株式(ADS)当たり60~66ドルとしている。公開株式数は3億2010万6100株。Alibabaが1億2307万6931株を公開し、米Yahoo!とAlibabaのJack Ma会長およびJoseph Tsai副会長が合計1億9702万9169株を販売する。

 IPOを通じた調達額は最大211億ドルを超え、仮条件の中間値をもとに算出した同社の企業価値は約1560億ドルにのぼる。これは米Amazon.comの企業価値に迫る規模で、米eBay、米LinkedIn、米Twitterの合計より大きい(米New York Timesの報道)。仮条件の上限をもとにした場合、企業価値は約1630億ドルと見積もられる(英Reuters)。

 また米Wall Street Journalによると、IPOでオーバーアロットメント(追加割当分)を実施した場合、調達額は最大234億ドルに達する可能性があり、そうなると2010年に中国農業銀行が上場を通じて調達した220億ドルを上回り、過去最大規模となる。

 英Financial Timesが関係者から得た情報によれば、Alibabaは各地を巡って開催する有力投資家向けの説明会(ロードショー)を9月8日に開始する。ニューヨークを皮切りに、100回以上の説明会を開く。米ニューヨーク証券取引所(NYSE)での同社の上場は9月18日あるいは19日と見られている(関連記事:Alibaba、9月18日または19日上場か、来週説明会を開始する見込み)。