画面サイズが大きなスマートフォン、いわゆるファブレットの出荷台数は急速に伸びており、その年間出荷台数は2014年にノートパソコンを、2015年にはタブレット端末(2-in-1型も含む)を上回る見通し。こうした推計を米国の市場調査会社IDCが現地時間2014年9月3日に公表した。

 IDCが定義するファブレットとは、画面サイズが5.5インチ以上、7インチ未満のスマートフォン。同社の推計によると2014年の世界出荷台数は1億7490万台となり、ノートパソコンの1億7000万台を上回る。また2015年の出荷台数は3億1800万台で、タブレット端末の2億3300万台を上回ると予測している。

 同社によると、ファブレットは2012年に出荷台数が伸び始めた比較的新しい製品カテゴリー。だがその影響はすでに市場に表れており、小型タブレット販売減速の要因になっている。「消費者の好みはより大画面のタブレットに移ると予想しているが、小型タブレットの減少分を補えず、今後のタブレット市場は緩やかな成長で推移する」と同社は見ている。

 2014年における、タブレット世界出荷台数の前年比伸び率は6.5%。これに対しファブレットは同209.6%になるという。また2014年はスマートフォンの出荷台数に占めるファブレットの比率が14.0%となる見通し。この数値は2018年に32.2%にまで上昇すると同社は見ている。

 米Appleは現地時間9月9日に米カリフォルニア州クパチーノでイベントを開催し、4.7インチと5.5インチのiPhoneを発表すると見られている。IDCのシニアリサーチマネジャー、 Melissa Chau氏はこれについて、「ファブレットへの関心がさらに高まり、より大きな画面のスマートフォンが新しい基準となるだろう」と述べている(Apple、9月9日イベントの招待状を送付、iPhone 6とiWatch発表か)。

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