米Appleがまもなく発表する「iPhone 6」(通称)は、ストレージ容量が64Gバイトのモデルのみに合成サファイア(サファイアガラス)が用いられる、とするアナリストの見解を複数の米メディア(CNETModern ReadersUbergizmoなど)が現地時間2014年9月2日に伝えた。

 これは、Apple製品の市場動向に詳しい米Piper Jaffrayのアナリスト、Gene Munster氏が投資家向けのリポートで予測したもの。それによるとAppleはまず、iPhone 6の64Gバイトモデルにサファイアディスプレイを採用し、顧客の反応を見る。これは市場テストの一環という。同社はその結果を踏まえ、2年以内(iPhone 7の市場投入時)にすべてのモデルにサファイアディスプレイを採用したい考えだという。

 また同氏は、サファイアディスプレイという付加的な特徴により、64Gバイトモデルの販売比率が30%に上昇するとの見方も示している。iPhone 5sの発売時に同氏が行った調査では、顧客の25%が64Gバイトモデルを選択していたことが分かった。今回の予測はこの調査結果に基づいていると同氏は説明している。

 合成サファイアをディスプレイ素材に使うというiPhoneの新モデルについては、今年8月に米Wall Street Journalなどの海外メディアが伝えていた(関連記事:Apple、サファイアガラス採用のiPhoneを量産開始へ)。Appleは現地時間9月9日に開催するイベントで、4.7インチと5.5インチのiPhoneを発表すると見られているが、このうち5.5インチモデルに合成サファイアを採用すると伝えられていた。

 AppleはiPhone 5sおよび同5cのカメラレンズカバーと、iPhone 5sの指紋認証センサー表面に合成サファイアを用いている。これをディスプレイにも採用し、より割れにくく、傷つきにくいiPhoneを市場投入しようと同社は考えているという。ただ、合成サファイアはコスト高になるほか、量産が難しいという問題がある。もし生産が滞れば、iPhoneの需要がピークに達する時期に部品不足が生じる恐れがあると指摘されている。