写真●CEDEC 2014で講演するニフティのクラウドプラットフォーム部部長・佐々木浩一氏
写真●CEDEC 2014で講演するニフティのクラウドプラットフォーム部部長・佐々木浩一氏
[画像のクリックで拡大表示]

 2014年9月2日に開幕した「CEDEC 2014」のワークショップで、「mBaaSという言葉を覚えて帰ってください」と聴衆に呼びかけたのは、ニフティのクラウド事業部クラウドプラットフォーム部の佐々木浩一部長だ。「mBaaS」は「mobile Backend as a Service」の略で「エムバース」と読む。スマートフォンとサーバーを組み合わせたシステム構築をする場合、サーバー側をサービスとして担うのがmBaaSだ。

 ニフティは2013年9月25日にmBaaSの「NIFTY Cloud mobile backend」を提供開始。プッシュ通知、会員管理、データストア、SNS連携、ファイルストア、位置情報検索といった機能を利用できる。サービスインから約1年、実績も上がってきたとアピールする。

 例えば、スクウェア・エニックスは「ドラゴンクエストポータルアプリ」で、350万通のプッシュ通知をするのにmobile backendを利用。フジテレビなどが開発した育成パズルゲーム「パズうま」は、mobile backendを利用することで420万円(工数5.25人月)と見積もられた開発費を292万円(3.65人月)に抑えられたという。

 サンリオの「ハローキティワールド」もニフティなどが開発。当初は海外のASP(Application Service Provider)を使っており、月40万円かかっていたが、mobile backendに切り替えて、月3万円に抑えることができた。また三省堂の辞書アプリは、無償の範囲でmobile backendを利用中。「Gガイド番組表」は毎朝2000万の情報をプッシュするのに自社配信では4時間を要していたのが、mobile backendを使うことで1時間に短縮できたという。

 mBaaSとしては、ニフティのmobile backendのほかにも、「Parse」、「アピアリーズ」、「Kii Cloud」などがある。佐々木部長によれば、容量制限などにおいて「うちは他社の2倍のスペック」ということだ。mobile backendはiOS、Android、JavaScript、Unityで利用でき、Basicプランは無料、Proが月2000円、Expertが月3万円、Expertの制限を超える場合は要相談となっている。とりあえず無料プランで試せるわけだ。他社のmBaaSと比較検討するのもよいだろう。

CEDEC 2014公式サイト