写真1●UNIVERGE IX2207の外観
写真1●UNIVERGE IX2207の外観
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは2014年9月2日、拠点間接続用のVPNルーター「UNIVERGE IXシリーズ」のラインアップを拡充し、遠隔拠点での保守性を重視した「UNIVERGE IX2207」を発表した(写真1)。コマンドライン操作やWeb画面操作を介することなく、ボタン操作とUSBメモリーだけで、設定情報(コンフィグ)の入力や出力ができる。9月19日に出荷する。価格(税別)は、9万8000円。

写真2●UNIVERGE IX2207の「かんたん操作ボタン」のイメージ
写真2●UNIVERGE IX2207の「かんたん操作ボタン」のイメージ

 IX2207は、遠隔拠点の接続に適したVPNルーターである。最大の特徴は、本体前面に物理的なボタン「かんたん操作ボタン」(写真2)を備え、ボタン操作とUSBメモリーだけで保守できるようにしていること。

 具体的には、ルーターの設定情報(コンフィグ)を記したテキストファイルやファームウエアをUSBメモリーに格納して電源をONにするだけで、これを機器に反映させることができる。さらに、ボタン操作でコンフィグをUSBメモリーにファイル出力(バックアップ)したり、取り込んで反映(リストア)したりできる。USBメモリーからログ収集などのバッチファイルを実行させることもできる。

 また、同機種を含むUNIVERGE IXシリーズは、NECが提唱する「SDN Ready」機能(OpenFlow1.3の機能)を搭載している(関連記事:NECがSDN事業を強化、2015年度売り上げを500億円へ)。これにより、将来的にSDN(OpenFlow)が必要になった時点でSDNに移行できる。新機種のIX2207は、9月19日の出荷時点で同機能を搭載する。この他の3機種(IX3110、IX2215、 IX2105)については、ファームウエアのバージョンアップによって9月以降順次、同機能を追加する。

拠点用VPNルーターの基本機能を搭載

 VPNルーターとしての基本機能は、以下の通り。ネットワーク接続ポートは1000BASE-T×6ポートで、このうち4ポートはスイッチングハブ。このスイッチは、ポートベースVLAN、リンクアグリゲーション、QoS(優先制御)、ミラーリングなどの機能を持つ。端末認証機能は、IEEE802.1X認証とMACアドレス認証を利用できる。さらに、USBポート(2個)にモバイル通信モデム(3G/LTE)を最大で1台まで接続し、WAN回線として使うことができる。

 スループットは最大2Gビット/秒で、VPN接続時(IPsec)のスループットは最大で800Mビット/秒。ルーティングテーブル交換プロトコルはIPv4時にRIPv1/v2、OSPFv2、BGP4、IPv6時にRIPng、OSPFv3。複数拠点を同一のLANセグメントとして運用するためのブリッジ機能として、イーサネットフレームをIPでカプセル化するEthernet over IP(EtherIP)機能を提供する。

 本体形状は弁当箱サイズで、19インチラックマウントキットを使って、1Uの容量に横に2台のIX2207を搭載できる。ファンレス構造で、動作保証温度は最大で摂氏45度。電源は本体に内蔵する。保守用に、ネットワーク状態の表示ランプを備える。このほか、SNMPによる監視/管理とWeb画面による監視/管理ができる。