セイ・テクノロジーズは2014年9月1日、複数のサーバー機に分散させた業務処理をスケジュール実行するジョブ管理ソフトの新版「Job Director R13」(写真1)を発表、同日出荷した。新版では、Windows Serverに加えて新たにLinuxのジョブを管理/実行できるようにした。

写真1●Job Director R13のジョブフロー定義画面
写真1●Job Director R13のジョブフロー定義画面
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 Job Directorは、ジョブ管理ソフトである。複数のサーバー機にまたがったバッチ処理(定型業務処理)のフローを、あらかじめ定義した条件やスケジュールに基いて実行する。個々のサーバー上では、バッチファイルやシェルスクリプトなどの定型処理スクリプトが動作する。Job Directorは、これらのジョブ同士を連携させるジョブワークフローを定義してスケジュール実行する。ジョブ連携にはNQS(Network Queuing System)プロトコルを使う。

 同ソフトの初期版は、Windows Server環境に特化した低価格なジョブ管理ソフトとして2012年4月に登場した(関連記事:セイ・テクノロジーズ、Windows環境向けのバッチジョブ管理ソフトを出荷)。今回の新バージョンでは、製品の価格体系を変更することなく、Windows Server(Windows Server 2003/2008/2012)に加えてLinux(Red Hat Enterprise Linux 5/6)のジョブも管理できるようにした。

 今回、Linux版を追加したソフトウエアモジュールは、「JobDirector SV」(ジョブを実行する個々のサーバー機に導入するエージェント)と、「JobDirector MG」(ジョブ同士の連携ワークフローや実行スケジュールを定義/制御する管理サーバー)である。これにより、Windows Server用のエージェントとLinux用のエージェントが混在したジョブネットを定義し、実行できるようになった。なお、GUIコンソールの「JobDirector CL/Win」については、以前と同様にWindowsで稼働する。

 機能面での特徴の一つは、日本の商習慣に合わせて細かくスケジュールを設定できること(写真2)。例えば、「毎月第5営業日に実行する」といった指定や、「締切日の3日前に実行する」といった指定ができる。日本の祝日・休日を反映したカレンダーを採用しており、ジョブの実行日が祝日・休日と重なった場合に振り替え処理を実施するといった制御もできる。

写真2●Job Director R13のスケジュール設定画面
写真2●Job Director R13のスケジュール設定画面
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 価格(税別)は従来と変わらず、以下の通り。基本パッケージは、最低限必要となるJobDirector SV×1、JobDirector MG×1、JobDirector CL/Win×1の構成で14万8000円。ジョブ実行サーバーを追加する場合は、JobDirector SV単体が13万円(仮想サーバー向けは7万円)。ジョブワークフローをExcelで定義/編集できるようにするオプション「JD Assist」は、11万8000円。