イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)とCueformは2014年9月1日、川崎市で「テレビ向けプッシュ型生活情報配信サービス」の実験を9月8日から10月17日まで実施すると発表した。同社らによるテレビ向けプッシュ型生活情報配信サービスの第3弾であり、今回は川崎市総務局危機管理室の協力を得て実施する。例えば、記録的短時間大雨情報、河川水位情報、竜巻情報などの川崎市の防災情報を、家庭のテレビ画面と音(音声)で自動的にお知らせする。

 IP-Boxによる情報提供サービスは、DVDや録画の番組を見ているときでも緊急情報が音とTV画面で確認できる。命にかかわる情報(防災無線・警報)は、夜中にテレビの電源をオフにしていても、IP-BOXからの音声、あるいはテレビの電源を自動でONにして知らせる。無線LAN環境とテレビがあれば、IP-BOXを設置するだけでサービスが使えるので、ケーブルテレビの未加入者も地域情報や行政からの防災無線を聞くことができる。

 今回の実験は、川崎市とイッツコムが締結した「放送と通信サービスを活用した防災気象情報に関する覚書」に基づき、川崎市がメールやホームページなどで提供する各種防災情報を、家庭のテレビに接続した専用の実験機器(IP-BOX)に自動的に配信する。実験は約50世帯のモニターを対象に行い、情報の内容、頻度などについて意見を収集する。

 記録的短時間大雨情報、河川カメラ画像と連携した河川水位情報、川崎市からの緊急のお知らせ、緊急地震速報、自宅周辺の震度、最寄りの避難所案内など、災害発生時、発生後の各プロセスにおいて、川崎市や関係各所から提供される情報を順次配信していく。避難情報については、エリアごとに出し分ける。なお、この実験期間中には、各種防災情報の受信を体験できる「防災訓練」を実施する予定。

 防災情報以外にも、洗濯や外出の目安になる降雨情報、指定した鉄道路線の遅延情報などの各種情報も配信する。テレビ向けプッシュ型生活情報配信サービスはこれまで、横浜市青葉区で2013年12月16日~2014年1月20日、東京都品川区で2014年7月3日~8月10日に実施し、改良を重ねている。今回は、必要な情報や時間を指定して受信できる「配信情報設定」や、集合住宅向けの「管理組合からのお知らせ機能」などを備える。

 イッツコムは、こうした実験を通じてイッツコムサービスエリアの地元自治体との連携を順次拡大し、「毎日の生活に安心と快適さを家庭のテレビに届ける情報配信サービスの提供を目指す」としている。

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