米Appleが現地時間2014年9月9日に発表すると見られる新世代の「iPhone」(通称「iPhone 6」)にはモバイル決済機能が搭載されると、複数の海外メディアが報じている。

 Appleは先週、米カリフォルニア州クパチーノの「Flint Center for the Performing Arts」で9月9日に開催するイベントの招待状をメディア各社に送付した。Apple自身はイベントの内容について明らかにしていないが、iPhone 6のほか、腕時計型ウエアラブル端末(通称「iWatch」)の発表などが期待されている(関連記事:Apple、9月9日イベントの招待状を送付、iPhone 6とiWatch発表か)。

 米Bloombergが関係者から得た情報によると、Appleはモバイル決済サービスに関して米Visa、米MasterCard、米American Expressとすでに提携を結んだという。NFC(近距離無線通信)チップとApple独自の指紋認証機能「Touch ID」を組み合わせた決済機能により、ユーザーは店頭で現金やクレジットカード、デビットカードなどを使わず、読み取り器にiPhoneをかざすだけで支払いができるようになる。

 英Financial Timesは、Appleがオランダの半導体ベンダーNXP SemiconductorsからiPhone向けにNFCチップを調達すると伝えている。

 NFCモバイル決済に関しては、すでに米Googleの「Google Wallet」や、米AT&T、米Verizon Wireless、独Deutsche Telekomの米国法人T-Mobileによる合弁会社ISISのサービスでも展開しているが、小売り販売業者における導入は期待したほど進んでいない。Appleのモバイル決済システムはこれらサービスの強力なライバルになる可能性があるが、すでにAppleと提携した小売り販売業者があるのかどうかは確認できていない(米VentureBeatの報道)。