米IDCが現地時間2014年8月29日に公表した世界のタブレット端末市場に関する調査によると、2014年の年間出荷台数(2-in-1型も含む)は2億3310万台となり、前年比6.5%増にとどまる見通し。

 同社は5月に公表したリポートで同年の出荷台数が前年比12.1%増になると予測していた。その後の調査で北米や西欧などの成熟国市場の合計出荷台数が横ばいになるとの予測結果が出たため、今回予測値を下方修正した。一方でその他の地域の合計出荷台数は同12%増になると予測している。

 またIDCは、画面サイズが8インチ未満の小型タブレットの価格下落圧力と、利用の変化が新興国市場の出荷台数増につながると見ている。同社はその実例として、携帯電話回線の音声通話に対応した端末を挙げている。そうした端末の出荷台数は、アジア太平洋地域(日本を除く)で前年比60%増となり、この地域における出荷台数の25%を占めた。

 この傾向は、音声通話とメディア消費を1台の端末で済ませようと考える人がこの地域に多いことを示しており、そうした人々にとっての端末とはスマートフォンではなくタブレットだという(関連記事:通話機能付きタブレットがアジアで人気 - Computerworldニュース)。

 一方で、北米、西欧などの成熟国市場では、画面の大型化や、携帯電話回線のデータ通信に対応した端末へとシフトしている。これにより2014年の平均販売価格は前年と同じ373ドルになると同社は見ている。これに対し、新興国市場の平均販売価格は302ドルとなり、前年から10%下落するという。

 IDCのシニアリサーチアナリスト、Jitesh Ubrani氏によると、タブレットの世界出荷台数は小型端末がけん引し、今後数年で新興国市場が大半を占めるようになる。ただし金額ベースで見ると成熟国市場が優位。成熟国市場では中・大型端末が依然、大きな収益をもたらすと予測している。

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