米Googleは小型無人飛行機(ドローン)を使った配送システムの開発プロジェクト「Project Wing」を進めていることを、現地時間2014年8月29日までに明らかにした。

 Project Wingは、次世代製品研究部門「Google X」が手がけるプロジェクトの1つで、2年前に着手した。「Google+」の公式ページでは、オーストラリアで実施した初代プロトタイプによる実地試験のビデオを公開している。

 同ビデオでは、男性がドッグフードを電話で注文すると、無人飛行機が注文者の自宅の上空に飛来し、ホバリングしながらドッグフードを入れた箱をワイヤーで吊して空中から地上に降ろす。

 無人飛行機は幅5フィート(約1.5m)、高さ2.5フィート(約0.8m)で、4つのプロペラを備える。今後数年かけて、1日数回荷物を運ぶ複数の無人飛行機を使った配送システムを開発する計画という(米Wall Street Journalの報道)。Googleは今年4月に無人飛行機メーカーの米Titan Aerospaceを買収している(関連記事:Google、Facebookとの交渉が報じられた無人飛行機のTitanを買収へ)。

 無人飛行機による配達システムに関しては、米Amazon.comが「Amazon Prime Air」の開発を昨年12月に発表している。Prime Airでは、物流センターから最大5ポンド(約2.3kg)の荷物を30分以内に購入者の玄関先に配達可能なサービスを目指す(関連記事:Amazon.com、小型無人飛行機による配送システムを開発中)。

 しかし米国では現在、商用目的の無人飛行機の運用は禁じられており、屋内か、あるいは米国外に行かなければテストは行えない。Amazon.comは今年7月に、屋外でPrime Airの試験飛行が行えるよう米連邦航空局(FAA)に許可を申請している(関連記事:Amazon.com、ドローン配送システムの屋外テスト許可をFAAに申請)。

 英メディア(BBCFinancial Times)の報道によると、GoogleはProject Wingの目的として「災害などで孤立してしまった地域に救援物資を配送すること」を挙げており、FAAに事前説明した上で、Google本社の近くにある米航空宇宙局(NASA)の研究センター「NASA Ames Research Center」においても「ごく小規模のテスト」を実施したという。

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