図●KDDIバリューイネイブラー(KVE)の事業概念図。
図●KDDIバリューイネイブラー(KVE)の事業概念図。
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 KDDIは2014年8月29日、MVNOを展開する子会社「KDDIバリューイネイブラー」(KVE)を18日に設立したと発表した。今後、販売パートナーの開拓を精力的に進め、契約数の拡大につなげる狙い。

 新会社はKDDI(au)の携帯電話回線を借りる「MVNO」の位置付けだが、独自ブランドによるサービス提供は当面、予定していない()。顧客基盤を保有する販売パートナーの開拓を中心に進め、同パートナーが独自ブランドで携帯電話サービスを提供するスキームを想定する。

 最近になってMVNOが増えてきたが、一般の企業には依然として参入のハードルが高い。携帯電話回線や端末の調達をはじめ、課金・請求システムや保守体制の構築、コールセンターの運営、電気通信事業者登録など様々な手続きが必要になるためだ。これらの手続きを新会社が肩代わりすることで、多くの企業が膨大な初期投資をかけることなく、販売に特化した形で参入できるようにする。

 なお、事業形態はMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)に近いと言えるが、KDDIは「MVNO(事業者)の参入支援ではなく、あくまで販売パートナーの開拓・支援」として、あえて同用語の使用を避けたという。

 新会社の資本金は1億円で、当初の社員数は約30人。代表取締役社長には、KDDIでコンシューマ事業本部コンシューマ営業本部副本部長 兼 コンシューマ首都圏支社長を務めていた菱岡弘理事が就任した。