NECは2014年8月29日、米国と東南アジアを直結する光海底ケーブル「SEA-US」の建設を単独受注したと発表した()。SEA-USの総敷設費は約2億5000万ドル(約259億5000万円)。受注額は、ほぼ同規模の額に上ると見られる。東南アジアにおけるネット利用の普及に伴い、米国と東南アジア間の通信需要の急増に応える。

 SEA-USは、フィリピンとインドネシアから、グアム・ハワイを経由して米国カリフォルニア州に至る総延長約1万5000キロメートルの光海底ケーブル。伝送速度が毎秒100ギガビットの光波長多重方式を採用し、最大容量毎秒20テラビットを実現する。NECと仏アルカテル・ルーセントが敷設した米国と東南アジアを直結する光海底ケーブル「AAG」の2.5倍に達し、同ルートで最大の規模となる見通しだ。

図●光海底ケーブル「SEA-US」のルート
図●光海底ケーブル「SEA-US」のルート
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 SEA-USの敷設には、インドネシアの「PT.Telekomunikasi Indonesia International」、フィリピンの「Globe Telecom」、米国の「Telkom USA」、同「RAM Telecom International」、同「Teleguam Holdings」、同「Hawaiian Telcom Holdco」、同「GTI Corporation」の7社が参画している。

 NECは2016年の稼働開始を目指し、2014年中にはルート調査やケーブルの製造などの作業を始める予定。同社は2014年8月11日、日米を結ぶ総敷設費約3億ドル(約306億円)の世界最大の光海底ケーブル「FASTER」の受注を発表したばかり(関連記事:総建設費300億円の太平洋横断光海底ケーブル、NECが単独受注)。

■変更履歴
当初、掲載していた光海底ケーブルのルートについて、地名に誤りがありました。お詫びして訂正します。図は修正済みです。 [2014/09/01 10:20]