写真●ActiveImage Protector 3.5の画面
写真●ActiveImage Protector 3.5の画面
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 ネットジャパンは2014年8月28日、OSを含んだディスクイメージを丸ごとバックアップするイメージバックアップソフト「ActiveImage Protector 3.5」(写真)の機能強化新版「ActiveImage Protector 3.5 SP5」を発表、同日出荷した。新版ではバックアップイメージの格納先を拡充し、無償版のVMware ESXiのストレージに直接イメージを格納したり、Amazon S3に格納したりできるようにした。

 ActiveImage Protectorは、ディスクイメージを丸ごとバックアップするイメージバックアップソフトである(関連記事:ネットジャパン、仮想マシン5台限定のイメージバックアップライセンスを出荷)。システム障害時のリカバリー(復旧)や異機種間のシステム移行などに利用する。CDブート(Windows PE)によるコールドバックアップに加えて、WindowsのVSS(Volume ShadowCopy Service)機能を用いたOS稼働中のバックアップが可能である。

 バックアップイメージをVMware ESXiの仮想サーバーイメージ(VMDKファイル)に変換するP2V(Physical to Virtual)バックアップもできる。また、フルバックアップに加えて、フルバックアップからの差分をバックアップする差分バックアップや、前回との差分をバックアップする増分バックアップも可能である。

イメージを無償版ESXiに直接保存可能に、S3にも保存

 今回の機能強化新版では、バックアップイメージの格納先ストレージを拡充した。まず、P2Vバックアップにおいて、無償版のVMware ESXiを使っている場合でも、VMDKファイルを直接VMwareのデータストレージに格納できるようにした。従来は、仮想変換したVMDKファイルを別のストレージに出力してから、別の手段でVMwareのデータストレージに転送する必要があった。

 これまでのバージョンでも、有償版のVMware ESXiを使っている場合は、米VMwareが公開しているAPIライブラリーを使って直接VMDKをVMwareのデータストレージに格納できていた。今回、VMwareのデータストレージへのアクセス方法を変更したことによって、有償版だけでなく無償版のVMware ESXiに対しても直接データを書き込めるようにした。

 バックアップイメージを遠隔地に転送保存する手法も拡充した。具体的には、ファイルサーバー(CIFS/NFS、WebDAV)やファイル転送(FTP)に加えて、新たに安全なファイル転送(SFTP)とクラウドストレージ(Amazon S3)を利用できるようにした。Amazon S3へのデータの格納については、ActiveImage ProtectorがAmazon S3のAPIを直接利用するわけではなく、米Amazon Web Serviceが用意しているコマンドラインプログラムを介して格納する。

増分だけを遠隔地にコピー可能に

 新版ではまた、バックアップ作業(増分バックアップの作成作業)と、コンソリデーション作業(増分バックアップファイルを利用してフルバックアップイメージを構成する作業)の二つの作業を分離し、それぞれ別のプロセスとして別のActiveImage Protectorで分担して実行できるようにした。これを応用すると、遠隔地に保存した増分イメージを遠隔地でコンソリデーションできる。コンソリデーション済みのファイルを毎回レプリケーションするよりも効率がよい。

 Windows向け製品のエディションは、サーバーOS(Windows Server)向けの「Server Edition」と、デスクトップOS(Windows)向けの「Desktop Edtion」で構成する。Server Editionの上位版で不特定多数のサーバーを管理できる「IT Pro Edition」もある。価格(税別)は、最小規模(保護対象1台~4台)で保護対象1台当たり、Server Editionが13万1900円、Desktop Edtionが8400円。IT Pro Editionは、指定技術者1人で50万円。