写真1●PlateSpin Forge 700の外観
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写真2●ノベル社長の河合哲也氏
写真2●ノベル社長の河合哲也氏
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 ノベルは2014年8月28日、DR(災害時復旧)アプライアンスの高性能モデル「PlateSpin Forge 700」(写真1)を発表した。業務サーバーを仮想サーバーイメージに変換してバックアップしておき、災害時にこれを立ち上げて業務を継続できるようにする。高性能モデルでは、既存モデルの4倍となる最大100台の業務サーバーをバックアップできるようにした。9月1日から出荷する。

 PlateSpin Forgeは、本番稼働中の複数台の業務サーバーをVMware仮想サーバーのサーバーイメージに変換し、これを本体に内蔵されているストレージにバックアップする装置である。ソフトウエア製品「PlateSpin Protect 11」のアプライアンス版に当たる。装置内にサーバー仮想化ソフトのVMware ESXi 5.5を搭載しており、災害時にはバックアップした仮想サーバーイメージを装置内で立ち上げて動作させることができる。

 仮想サーバーイメージをバックアップ/同期させておき、災害時にこれを立ち上げるという手法のメリットについてノベル社長の河合哲也氏(写真2)は、「システムの二重化よりもコストがかからない一方で、データバックアップやストレージレプリケーションよりもRTO(システムの復旧にかかる時間)やRPO(復元できるデータの新しさ)で優れる」と説明する。

 バックアップ可能な業務サーバーのOSは、各種Windows(Windows 2000以降、Windows Server 2003以降)と各種Linux(SUSE、Red Hat、Oracle)。これらOSの上で専用のエージェントソフトを動作させることで、OSイメージ全体のバックアップと同期ができるようになる。初回バックアップ後は、更新差分だけを転送し、本番環境とバックアップイメージの内容を同期する。業務サーバーは、物理サーバー上で直接稼働していても、仮想サーバー上で稼働していても、どちらでも構わない。

災害復旧時のサーバーリソースを向上

 今回新たに用意したモデルであるPlateSpin Forge 700は、既存モデル「PlateSpin Forge 500」と比べて、ベースとなる物理PCサーバー機の性能を高めた上位版に当たる。具体的には、CPUコアは8個から16個へと2倍に、メモリー容量は32Gバイトから128Gバイトへと4倍に、バックアップ容量は4Tバイトから20Tバイトへと5倍に高めた。

 CPUとメモリーを増強したことで、災害復旧時に仮想サーバーを立ち上げて動作させる際に、PlateSpin Forge 500よりも多くの仮想サーバーを、より高速に動作させられるようになった。また、ストレージ容量を増やしたことで、より多くのデータを持った業務サーバーを、より多くの台数バックアップできるようになった。

最大100台の業務サーバーを1台でバックアップ可能に

 ライセンスの上でバックアップ可能なサーバー台数制限も、PlateSpin Forge 500の最大25台からPlateSpin Forge 700の最大100台へと4倍に増やした。さらに、PlateSpin Forge 700では、仮想サーバー環境のサイジングを支援するソフト「PlateSpin Recon」の30日間限定版もバンドルした(関連記事:複数の仮想化ソフトなど異機種混在環境で資源の動的配置が可能になる)。

 製品ラインアップは以下の通り(価格は税別)。

 PlateSpin Forge 500シリーズは、バックアップ台数10台分のライセンスが付いた「PlateSpin Forge 510」と、バックアップ台数25台分のライセンスが付いた「PlateSpin Forge 525」の2モデルがある。PlateSpin Forge 500シリーズの価格は、543万円から。

 一方、PlateSpin Forge 700シリーズは、10台分のライセンスが付いた「PlateSpin Forge 710」、25台分のライセンスが付いた「PlateSpin Forge 725」、40台分のライセンスが付いた「PlateSpin Forge 740」がある。価格は、756万円から。

 さらに、PlateSpin Forge 500シリーズ/PlateSpin Forge 700シリーズ共通で、バックアップ台数を5台追加する追加ライセンスがある。