米IDCが現地時間2014年8月27日に公表したパソコン市場に関する調査によると、2014年の世界における出荷台数は前年から3.7%減少し、3億350万台になる見通し。

 同社が6月に公表したリポートでは、2014年の出荷台数が同6.0%減の2億9630万台になると予測していたが、同年上半期に成熟国市場で法人、消費者向けのいずれもがプラス成長したため、予測を上方修正した。

 同社の推計によると、成熟国における2014年の出荷台数伸び率は同5.6%で、2010年以来の高水準になる見通し。一方、新興国は引き続きタブレットなどの競合デバイスとの競争や、経済・政治情勢などの影響を受けるため出荷減が続く。これにより2014年の新興国市場の出荷台数は、同10.4%減になるとIDCは予測している。

 同社によると、パソコン市場の短期的な成長要因は主に成熟国市場の法人需要。だが、Windows XPのサポート終了や、タブレット端末の需要低下、「Windows 8.1 with Bing」によるパソコンの低価格化、パソコンの薄型・軽量化、タッチ対応といった要素も好材料になるという。

 また成熟国の教育市場におけるChromebookの伸びも市場成長に寄与すると同社は見ている。ただし新興国では引き続きタブレットなどの他の機器との競争が大きな影響を及ぼす。Windows XPサポート終了によるプラスの影響も同OS搭載機の稼働台数の減少に伴い、次第に薄れていくとしている。

 IDCが予測する2018年の世界出荷台数は、前年比0.2%減の2億9110万台で、3億台を下回る見通し。2015年に登場するWindows 9(Threshold)が需要を喚起する可能性もあるが、消費者や法人にもたらされるメリットが分かるまで実際の効果を測るのは難しいという。IDCは、市場は当面買い替え需要に支えられると見ており、出荷台数は緩やかに減少していくと予測している(関連記事:Microsoft、9月30日に「Windows 9」発表イベントを開催か)。

 なおIDCが言う「パソコン」とは、デスクトップパソコンや、取り外し可能なキーボードを備えないノートパソコンのことを指す。これには米AppleのiPad、Androidタブレットのほか、米MicrosoftのSurface Proも含まれない。

 IDCは世界のパソコン市場を、成熟国市場(米国、西欧、日本、カナダなど)と、新興国市場(日本を除くアジア太平洋地域、中南米、中・東欧、中東、アフリカなど)に分けて調査している。

[IDCの発表資料へ]