写真1●NECシステムプラットフォームビジネスユニットの福田公彦執行役員
写真1●NECシステムプラットフォームビジネスユニットの福田公彦執行役員
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 NECは2014年8月27日、企業や官公庁、データセンター市場向けのSDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)事業を強化すると発表した。これまで提供してきたOpenFlow対応の製品群に加え、既存のネットワークシステムから段階的にSDNに移行できる「SDN Ready」製品を順次、提供開始する。導入の際のコンサルティングサービスも開始、営業体制も強化する。

 SDNは、スイッチやルーターなどのネットワーク機器をソフトウエアによって集中的に制御すること。専用のコントローラーを用いることで仮想ネットワークを構成し、簡単に管理できることを目指す技術だ。

 NECが算出した、SDN関連の製品やサービスなどを含めた市場規模予測は2014年に5000億円。2017年には4兆7000億円にまで成長すると予測している。NECシステムプラットフォームビジネスユニットの福田公彦執行役員は「ネットワーク市場全体の約3割がSDN化する」という予測に併せて、SDN事業の成長を期待する。同社のSDN関連の事業規模は2013年度に約200億円。2015年度には約500億まで拡大する考えだ。

 「SDN Ready」製品として提供開始するのは、LANスイッチである「UNIVERGE QXシリーズ」と、WANアクセスルーター「UNIVERGE IXシリーズ」の2つだ。従来型のネットワーク機器として使用できるが、SDNにも対応しており、ネットワークシステムを段階的にSDNに移行できる。UNIVERGE QXシリーズは8月27日より出荷開始、UNIVERGE IXシリーズは9月中に提供開始する予定だ。

 大規模なデータセンター事業者向けに提供するのが「UNIVERGE PF6700」。既存のネットワーク資産を残しながら大規模な仮想ネットワークを構築できる「オーバーレイ」方式に対応している。2014年9月末に出荷開始し、最小構成価格は505万円(税別)だ。

 同社のSDNに対応する専任SEは2013年度末に約10名だったが、2014年9月中に100名にまで増やす。営業職向けにもSDN関連の教育プログラムを用意し、2015年には販売パートナーを含めて約2000名の営業体制で拡販する。