米Bloombergは現地時間2014年8月26日、米Apple製品の製造を請け負うサプライヤーが、現行モデルよりも大きいiPadの生産に向けて準備をしていると報じた。画面サイズはフルサイズiPadの9.7インチを上回る12.9インチで、想定される顧客層は法人。生産は2015年第1四半期(1~3月)にも始まる見込みだという。

 Bloombergは事情に詳しい関係筋の話しとして、Appleが1年以上前からサプライヤーと新たな大型iPadの開発に取り組んでいたと伝えている。iPadは販売台数でも売上金額でもiPhoneに次ぐ規模のAppleの主力製品。だが今年4~6月期の販売台数は1年前から9%減の1328万台となり、2四半期連続で前年実績を下回った(関連記事:Appleの4~6月期決算はiPhoneとMacが好調、売上高は予測に届かず)。

 そうした中、AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)はiPadの製品ラインアップ刷新に取り組んでいるという。また同社は今年7月に米IBMと、iPhoneやiPadなどに対応する法人向けアプリの共同開発などで広範囲に提携すると発表した。市場調査会社の米IDCはこうした法人に特化したソリューションがタブレットの需要を喚起し、市場拡大につながると予測している(関連記事:2014年Q2の世界タブレット市場、AppleとSamsungのシェアが低下)。

 なお、今回の報道に先立ちBloombergは、Appleがタブレットの新モデルの量産を開始したと伝えていた。それによると、9.7インチのフルサイズiPadの新モデルはすでに量産が始まっており、第3四半期(7~9月)の終わりか第4四半期(10~12月)初めに発表される見通し。またiPad miniの新モデルも量産体制に入っている。いずれも年末のホリデーシーズンまでに発売される見込みという。

■変更履歴
当初、第2段落で「今年7~9月期の販売台数」としていましたが,正しくは「今年4~6月期の販売台数」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/08/28 13:10]