データセンター事業者であるビットアイルの子会社で、インフラ構築などを手がけているビットサーフは2014年8月26日、パブリッククラウド「IBM SoftLayer」の上にサーバー環境を構築するSIサービス「IBM SoftLayer環境構築支援サービス」を発表、同日提供を開始した。ユーザーは、SoftLayerのID/パスワードをビットサーフに貸与して、サーバー環境を構築してもらう。

 IBM SoftLayer環境構築支援サービスは、ユーザーが指定したサーバー環境をSoftLayer上に構築するSIサービスである。Webサーバーやデータベースサーバーなどの典型的なサーバー構成を標準テンプレートとして用意しているほか、一般に市場で流通しているミドルウエアであればオーダーメードでインストールおよび設定する。

 サービスを利用する際には、SoftLayerのID/パスワードをビットサーフに貸与し、サーバー環境を構築してもらう。ビットサーフでは、構築したサーバーの基本設計書(要件の一覧、および設計方針を記載)、パラメーターシート(実際の設定内容を記載)、試験項目書(試験結果の報告書を兼ねる)などを作成して納品する。

 参考価格(税別)は、Webサーバーやデータベースサーバーなどの標準テンプレートを適用したサーバー構築の場合、サーバー1台当たり1万5000円から。典型的なシステム構成一式(ファイアウォール1台、レイヤー2スイッチ1台、Webサーバー1台、データベースサーバー1台)で81万円から。

SoftLayerの契約が別途必要、SoftLayer以外のIaaSも予定

 同サービスの利用には、SoftLayerの契約が別途必要になる。ビットサーフの親会社でデータセンター事業者であるビットアイルもSoftLayerを販売している。今回はIaaSとしてSoftLayerが対象となるが、今後、Amazon Web Servicesやニフティクラウドなど他のIaaSについてもサーバー構築サービスを提供する予定という。

 SoftLayerの用途として同社は、海外のSoftLayerを用いたBCP対策や、オンプレミスからのシステム移行先としての使い方を挙げている。オンプレミスからの移行では、パブリッククラウドに移行できないシステムをビットアイルのデータセンターなどに移行し、パブリッククラウドに移行可能なシステムをSoftLayerに移行するというハイブリッド型のクラウド利用を提唱している(写真)。

写真●SoftLayerの利用イメージ「オンプレミスシステムの移行」(出典:ビットサーフ)
写真●SoftLayerの利用イメージ「オンプレミスシステムの移行」(出典:ビットサーフ)
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