写真1●日立製作所、執行役常務、情報・通信システム社、システム&サービス部門CEOの塩塚啓一氏
写真1●日立製作所、執行役常務、情報・通信システム社、システム&サービス部門CEOの塩塚啓一氏
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 日立製作所は2014年8月26日、パブリッククラウドの需要の高まりに合わせ、クラウド製品/サービス群を新しく開発して体系化したと発表した(写真)。パブリッククラウドを含んだ複数のクラウドを一元的に利用できるようにするクラウド運用基盤などで構成する。10月1日から順次提供を開始する。

 新たに体系化した製品/サービスの第一弾として、プライベートクラウドやパブリッククラウドなどの複数のクラウドをつないで一元的に利用できるようにする「フェデレーテッドクラウド」製品群と、これら複数のクラウドを安全につなぐための「クラウドセキュリティ」製品群を用意した。

 日立がクラウド製品を新規に体系化した背景には、国内クラウド市場においてパブリッククラウドの市場規模が急伸しているという状況がある。日立の予想では、2012年から2017年にかけてのCAGR(年平均成長率)は、プライベートクラウドが3%、パブリッククラウドが25%。2017年時点でパブリッククラウドの市場規模はプライベートクラウドと同等になる。

 日立では、こうしたパブリッククラウド市場の成長に合わせ、複数のクラウドを一元的に管理できる新たな基盤技術の開発に着手した。事業部門と研究開発部門にまたがる300人体制で、2013年12月から開発を推進。同プロジェクトの成果の第一弾として、2014年10月1日からフェデレーテッドクラウド製品/サービスを提供開始する。

複数のIaaSを一元管理するソフトを開発
プライベートクラウド基盤とセットで提供

 フェデレーテッドクラウドを構成する具体的な製品/サービスと提供時期は、以下の通り。価格はいずれも税別。

 複数のIaaS(日立のマネージドクラウド、Amazon Web Services、Microsoft Azure)を一元的に管理できるソフト「フェデレーテッドポータル」を、2015年4月から提供する。これに先立ち、フェデレーテッドポータルを搭載したプライベートクラウド基盤「出前クラウド Federated Ed.」を2014年12月22日から月額制で提供する。出前クラウド Federated Ed.の価格は、初期費用が15万円から、月額費用が60万円から。

 出前クラウドは、プライベートクラウドの構築に必要なハードウエア/ソフトウエア一式をラックに搭載した形でユーザー先に設置し、これを月額制で提供するサービスである(関連記事:日立ソフトが仮想化環境を“出前”、自社クラウドと同等構成で低コスト化)。今回新たに用意した出前クラウド Federated Ed.では、出前クラウドにフェデレーテッドポータルのソフトウエアを搭載し、パブリッククラウドを含めて管理できるようにした。