韓国Samsung Electronicsが中心となって取り組んでいるモバイルOS「Tizen」について、中国の大手通信機器メーカー、Huawei Technologies(華為技術)がスマートフォンへの採用を拒絶していたことが分かったと複数の海外メディア(米Forbes米Re/codeなど)が現地時間2014年8月25日に伝えた。

 これは、Huaweiのコンシューマービジネス部門を統括するRichard Yu氏が米Wall Street Journalのインタビューに答えて明らかになったもの。それによると、Huaweiは複数の通信事業者からTizenを採用するよう要請された。だが社内で結論を出した後は、そうした要請を一貫して断り続けてきたという。「我々にはTizenの研究チームがあったが、私はそれを中止させた。(我々は)Tizenに成功の見込みがないと感じている」と同氏はWall Street Journalに述べた。

 また多くのスマートフォンメーカーがAndroidに依存している現状についてWall Street Journalが尋ねたところ、Yu氏は「Androidが唯一の選択肢となっていることは懸念している。だが我々には他に道はない。今はGoogleと良い協力関係を築いている」と答えたという。

 Huaweiはスマートフォンの出荷台数で世界3位のメーカー。IDCによると、今年第2四半期(4~6月)の同社の出荷台数は2030万台で市場シェアは6.9%。だが同社の前年同期比伸び率は95.1%と、上位5社の中で最も高く、1位のSamsung(同3.9%減)、2位のApple(12.4%増)を大きく上回っている(関連記事:世界のスマホ市場、中国メーカーが市場平均上回る速度で成長)。Re/codeは、Huaweiから支持が得られないという現状はTizenにとって幸先が良くないことだと伝えている。

 Samsungは過去数年にわたり、Androidに代わるOSとしてTizenの開発に力を注いできた。ここ最近はウエアラブル端末やテレビの分野で同OSの導入を進めているが、まだスマートフォンは市場投入していない。同社は今年6月、初のTizen搭載スマートフォンをロシアで発売すると発表したが、7月にこの計画を突如延期した(関連記事:Samsung、初の商用Tizenスマホ「Samsung Z」のロシア発売を延期)。