米Amazon.comとゲームライブストリーミングの米Twitch Interactiveは現地時間2014年8月25日、Amazon.comがTwitchを買収することで合意したと発表した。Amazon.comはTwitchの全株式を総額約9億7000万ドルで取得する。取引は現金で行われ、2014年末までに完了する見込み。

 Twitchは、動画ライブストリーミングサイト「Justin.tv」の共同創業者であるJustin Kan氏とEmmett Shear氏が、2011年6月に立ち上げた。ビデオゲーム愛好者がゲームプレイを実況配信したり、他人のゲームプレイをライブ視聴したりできるサービスを手がけている。7月の月間ユニークビジター数は5500万人を超え、100万人以上が実況した150億分以上のコンテンツが視聴された。今年5月に、米Googleが買収に向けて同社と協議していると報じられていた(関連記事:Google、ゲーム実況ストリーミングのTwitchを10億ドルで買収か)。

 TwitchのShear最高経営責任者(CEO)はAmazon.comを選んだ理由として、「Amazon.comはTwitchのコミュニティーを信じ、Twitchの価値と長期的ビジョンを共有してくれる。Twitchは、オフィス、従業員、ブランド、独立性と、ほぼすべてをこれまでどおり維持し、さらにAmazon.comのサポートのもと、Twitchをより良くするためのリソースを獲得できる」と述べた。

 Amazon.com創業者兼CEOのJeff Bezos氏は、「当社はTwitchと同様、常に顧客のことを念頭に置き、ほかとは違う考え方を好む。Twitchから学び、Twitchがいっそう迅速にゲームコミュニティーへの新サービスを構築できるよう手伝えるのが楽しみだ」と語った。

 Twitch買収はAmazon.comにとって過去最大規模の取引となる(米CNETの報道)。米Wall Street Journalによると、GoogleとTwitchの交渉はここ数週間に打ち切られ、米Yahoo!もTwitch買収への関心を示していた。

 米Forbesは、GoogleとTwitchの交渉が成立しなかった主な要因として、Google傘下の「YouTube」がライブストリーミングやオンデマンドのゲームセッションなどでTwitchと競合することから、独占禁止法に関する問題が懸念されたためと伝えている。

[発表資料(Amazon.comのプレスリリース)]
[発表資料(TwitchのCEOの公開書簡)]