東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)とKADOKAWA角川マガジンズ ブランドカンパニーは、ソニーと共同で「アニメポータルプロジェクト」を立ち上げる。テレビ番組を起点にしたアニメの総合情報メディアである「TrackID TVアニメガイド」サービスを2014年9月から提供する。

 TrackID TVアニメガイドサービスでは、ソニーらが開発したスマートフォン向けアプリの「TrackID」を活用し、テレビの音声から作品情報や関連情報を自動的に検索しスマホ画面上に表示する。Gracenoteのコンテンツ自動認識(ACR)技術によって、テレビの音声から番組を特定する仕組みである。

NHKやキー局が放送するアニメ情報も表示可能

 TOKYO MXが放送するアニメだけではなく、他局のアニメの作品情報なども閲覧できるという。TOKYO MXの事業局 クロスメディア推進部長の服部弘之氏は、「TOKYO MXのほかNHKや民放キー局のアニメの音声に対応する認証サーバーを24時間稼働させ、アニメファンをリアルタイム視聴に誘導するサービス」としている。

 3社は2014年9月10日に「TrackID TVアニメガイド」のβ版サービス開始を予定する。まずAndroid版をリリースし、iOS版も順次提供する。

 TOKYO MXは同サービスの仕組みを活用し、2014年10月にアニメのリアルタイム視聴を促進する取り組みを進める。10月4日から放送するアニメ「怪盗ジョーカー」の開始に合わせて、オンエア時に「TrackID」で番組の音声を認識すると、「怪盗ジョーカーバッジ」を取得できるようにする。取得できるバッジのグレードは、番組の視聴回数に応じて高める。さらに番組のシーン(タイムコード)に合わせてキャラクター紹介などの連動コンテンツを表示するほか、怪盗ジョーカーの詳細ページも提供する。

 TOKYO MXは、怪盗ジョーカー以外の作品でもバッジ取得などの企画を実施したい考えである。今後、他の作品の製作委員会と実施に向けた話し合いを進めることを目指す。

 将来的には全局の放送アニメの中から「原作が同じ雑誌で連載されている」などの共通点がある作品を抽出し、それらすべてをリアルタイムで視聴すると特別なバッジを取得できるといった企画の実施を視野に入れている。放送局横断型の企画によって、例えば他局のアニメファンにTOKYO MXのアニメを知ってもらうなど、アニメの放送局が相互に視聴を促進する仕組みとして活用したい考えである。

 TOKYO MXはアニメ以外のジャンルの番組についても、今回の仕組みを活用した番組連動型情報提供サービスを展開する方針。早ければ2014年10月にもトーク番組のオンエア中に番組関連情報を提供したりプレゼントに応募したりできるサービスを開始するという。