写真●データエクスチェンジ・コンソーシアムの第3回全体会
写真●データエクスチェンジ・コンソーシアムの第3回全体会
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 異業種間のビッグデータ活用を探る「データエクスチェンジ・コンソーシアム」は2014年8月21日、第3回全体会を開催した(写真)。データ交換やオープンデータの活用、個人情報保護法改正がデータ交換にもたらす影響といった講演のほか、参加企業がデータ交換・活用の具体的な姿を話し合う分科会の詳細について方針が示された(関連記事:異業種間でビッグデータ活用、データエクスチェンジ・コンソーシアムが第2回全体会)。

 講演したのは東京大学工学部の大澤幸生教授、国立情報学研究所(NII)の大向一輝准教授、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士である中崎尚氏。

 大澤教授は、「データジャケットを書いてみよう 怖くないデータ市場の仕掛け」と題して自身の取り組みや成果を発表した。「データジャケット」とはデータの集合について「どんなデータが入っているか」を示す項目のこと。「何かに使えそうだが、何に使えるか分からないときにアイデアを募るのに有効」(大澤教授)。データそのものは広く公開できないにしても項目を見せ合うことで、ほかのデータと組み合わせる活用のヒントが得られる。ジャケットを通じて、データの利用者と提供者が条件などを交渉して値段を付けて取り引きする、データ交換市場の構想も披露した。

 大向准教授は「オープンデータとビジネスデータ」と題した講演に登壇した。「2013年は、政府が公開しているデータを集約して検索できるサイトができるなど、日本での活用に向けた大きな動きがあった」として、オープンデータのカタログサイト「DATA●GO.JP」やオープンデータ活用サイト「次世代統計利用システム」などを紹介。福井県鯖江市のように地方自治体の中にも積極的にデータを公開しているところがあり、さまざまなサービスが生まれているとした。大向准教授は「オープンデータは太陽光に例えられる。無尽蔵で希少性が少ない。オープンデータだけで大もうけした例は知らないが、自分のデータと組み合わせてビジネスを発展させることができる」と述べ、オープンデータが潜在的に及ぼす影響は非常に大きいとまとめた。