画面1●SDN管理サービスで利用するAnuta NCXの画面
画面1●SDN管理サービスで利用するAnuta NCXの画面
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 日立システムズは2014年8月22日、既存の物理ネットワーク機器をそのまま使いながらネットワーク構成を動的にプロビジョニングできるようにするソフト「Anuta NCX」(画面1)の販売を開始した。同ソフトの導入や教育を実施するSI(システム・インテグレーション)サービスとセットで「SDN管理サービス」の名称で提供する。Anuta NCXの開発会社は米Anuta Networksで、日立システムズはネットワールドを介した2次販売代理店に当たる。

 Anuta NCXは、物理ネットワーク機器をネットワーク構築の構成要素として利用する、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)ソフトである(関連記事:ネットワールド、物理ネットワーク機器の構成を動的にプロビジョニングするソフトに新版)。仮想アプライアンス型のネットワーク機器のように、スイッチ/ルーターや負荷分散装置といったネットワークの構成アイコンをGUI上で並べて線でつなぐだけで、ネットワークを構築/配備できるようにする(図1)。

図1●SDN管理サービスの概要(出典:日立システムズ)
図1●SDN管理サービスの概要(出典:日立システムズ)
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 同ソフトを使うと、必要なネットワーク構成をサービスカタログ化しておき、これを動的に配備できる。ユーザー部門などがネットワークを調達できるようにするセルフサービスポータル機能を内蔵しているほか、REST APIを介して外部のクラウド運用ソフトからネットワークを配備できる。Anuta NCXのバックエンドでは、構成要素となる個々のネットワーク機器の設定を、これまで通りコマンド(CLIやAPI)を介して変更する。

 Anuta NCXから動的に設定を変更できる物理ネットワーク機器は、2014年7月現在で表1の通り。

表1●Anuta NCXから動的に設定を変更できるネットワーク機器
ネットワーク機器の種類ベンダー
スイッチ/ルーター米Arista Networks
米Brocade Communications Systems
米Cisco Systems
米DELL(Dell Force10)
米Hewlett-Packard
米VMware(vSwitch)
アラクサラネットワークス
日立金属(APRESIA)
ファイアウォールイスラエルCheck Point Software Technologies
米Cisco Systems
米Fortinet
米Juniper Networks
米Palo Alto Networks
負荷分散装置米Cisco Systems
米Citrix Systems(NetScaler)
米F5 Networks
米Radware
米Riverbed Technology

導入SIサービスとセットで提供

 日立システムズでは、Anuta NCXの取り扱いを開始するに当たって、ソフトウエア単体のライセンス販売ではなく、導入SIサービス込みで提供することにした。具体的には、導入コンサルティングからAnuta NCXサーバーの構築、ユーザー環境に合わせたSDN環境の設定、ユーザー自らSDNを運用できるようにするための教育、といった初期導入支援を実施する。

 導入費用全体のうち、SIサービス部分の価格は個別見積もりとなる。一方、Anuta NCXのソフトウエアライセンス部分の価格(税別)は、Anuta NCXで管理しているネットワークに接続するサーバー(仮想サーバーを含む)の台数に依存し、サーバー100台で240万円から。

 なお、日立システムズは以前から、既存のネットワークを仮想化したり、仮想化したネットワークを新規に導入したりするSIサービス「NETFORWARDネットワーク仮想化サービス」を提供している。日立システムズは、同サービスを補強するサービスとしてSDN管理サービスを位置付ける。