日本マイクロソフトは2014年8月16日、8月13日に公開した更新プログラム(パッチ)に不具合があることを明らかにした。適用すると、PCが異常終了したり、起動できなくなったりする恐れがあるという。該当のパッチは公開を中止。同社では、問題が発生した場合の対処法をWebで公開している。
適用すると問題が発生する恐れがあるのは、以下の4種類のパッチ。
- [MS14-045]カーネル モード ドライバーのセキュリティ更新プログラム(KB2982791)
- Update to support the new currency symbol for the Russian ruble in Windows(KB2970228)
- August 2014 update rollup for Windows RT 8.1, Windows 8.1, and Windows Server 2012 R2(KB2975719)
- August 2014 update rollup for Windows RT, Windows 8, and Windows Server 2012(KB2975331)
これらのいずれかを適用すると、「Stop 0x50」エラーが発生し、PCが異常終了する場合がある。また、このエラーはPCの再起動後にも発生し、起動に失敗する恐れもあるとしている。
対策は、これらのパッチをアンインストールすること。日本マイクロソフトでは、具体的な手順をWebサイトで公開している。
まず、PCの起動に失敗する場合には、DVDなどのインストールメディアを使ってPCを起動し、「スタートアップ修復」や「システムの復元」を利用して、システムをパッチ適用前の状態に戻すことを推奨している。
この方法がうまくいかなかった場合には、「セーフモード」でPCを起動し、コマンドプロンプトから「fntcache.dat」ファイルを削除(画面)。その後、PCを再起動し、レジストリエディターで「C:\xxx\xxx\xxx.otf」のようにフルパスで指定されていて拡張子が「otf」のレジストリを削除し、再度「fntcache.dat」ファイルを削除。それから、「コントロール パネル」の「プログラムと機能」などから「インストールされた更新プログラム」を選択し、問題のパッチ「KB2982791」「KB2970228」「KB2975719」「KB2975331」をアンインストールする。詳細は、同社のWebサイトを参照してほしい。
問題のパッチは、現在では公開を中止しているので、Windows Update(Microsoft Update)を実施しても適用されない。8月16日にWindows Updateから取り下げられたもようなので、8月13日から8月15日までにWindows Updateを実施したPCには、問題のパッチが適用されている可能性がある。同社では、問題が発生していないPCにおいても、予防的処置のために、これらのパッチをアンインストールすることを推奨している。
【2014年8月28日追記】日本マイクロソフトは2014年8月28日、不具合を修正したパッチを公開したことを明らかにした(関連記事:マイクロソフト、「PCが起動しなくなるパッチ」の修正版を公開)。