米Appleが中国本土のサーバーで中国ユーザーのデータ保存を開始したと、複数の海外メディア(英Reuters米New York Times米PCMag米Wall Street Journalなど)が現地時間2014年8月15日に報じた。

 同社がユーザーデータを中国国内に保存するのは初めてという。米Googleなど多くの米大手IT企業は、中国の検閲やプライバシーに関する懸念から、中国国内にデータセンターを設置することに難色を示している。

 Appleは中国本土でのデータ保存について、「クラウドサービス『iCloud』の高速化と信頼性向上の取り組みの一環であり、ユーザーのそばにデータセンターを設けることでより迅速なサービスを提供できる」と説明している。

 ユーザーデータは、中国通信大手のChina Telecom(中国電信)が提供するサーバーに格納される。データは暗号化されており、China Telecomはデータの内容にアクセスできない。

 Appleの広報担当者は、「当社はユーザーのセキュリティとプライバシーを重視している。中国本土のユーザーのために通信速度を確保し、性能を向上したいと考え、China Telecomをデータセンターのプロバイダーのリストに追加した」と述べた。